ジンジニアニッキ!

とあるITベンチャーで、人事だけど開発環境もってた人のニッキ

吉祥寺.pmでキャリアの話をしてきた #kichijojipm

先週開催された吉祥寺.pm #12でキャリアについての話を発表してきました。

土日に台風の様子をみつつぼーっとしている間にブクマされてた。
ブコメが優しくてありがたい。

speakerdeck.com




要約すると、いわゆるH型人材と言われている様な感じことに関することです。
が、自分の中では「H型人材」という表現が足りない感じがあり、その表現は使いませんでした。
もう少し分子結合の様な感じで、よりたくさんの人と繋がることができ、繋がる相手によって自在に自分自身を変化させていくことができるような、そんな感じをイメージしています。


エンジニアの勉強会で技術とは全然違う話なのですごいドキドキしてたけど、聞いてくださった方々も好意的に受け取ってくださったようでよかった。
お誘いいただいたmagnolia_k_ さん、ありがとうございました。


これまでとは違ったキャリア形成が求められてきつつある世の中だと思っているのですが、実際の採用や育成の現場では従来通りの「T型」と言われる、いわゆる「スペシャリスト」的な観点になっているのが現実だと思う。
資料にも書いたけど、自分自身も転職活動で「専門性とか強みがないですよね」っていうフィードバックを受けることも多かったし、制度設計も「マネジメントコース」「スペシャリストコース」の二つが用意されている会社で(マネジメント以外のキャリアと出世の道が用意されているという点において)比較的先進的と言えるという感じだと思う。



人事という立場ではなくなったものの、組織マネジメント等の広い意味での人事を担当する仕事ではあるので、そのあたりのがいい感じで会社の仕組みになるといいなと思うし、そういう方法を考えていきたいなと思っています。

その他

久しぶりに勉強会に参加したのですが、やはり他の人から刺激を受けることが多かった。
2年目の方がチームリーダーとしての動きについてLTで発表されていて、「自分もしっかりしなきゃな…」とかとか。


あと、懇親会で話していたのですが、中堅になってからの女性(に限らずだとは思うけど)のキャリアって難しいなと思っており。
年齢でいうと、30過ぎたくらいからかな。
自分もそういう年齢でそういう立場になっているので、戸惑うこととか、自分が変化していかなければいけないという必要性を感じることが多い。
ペーペーではなくなり、中間マネジメントの一端を担うようになり…というようなこと。
なんかそういう話とか相談とかできる場所(なのか何なのか)があるといいなー、とぼんやりと思った。



とにかく何が言いたいかというと、きちぴー最高!!

25歳の誕生日に辛かった自分へ

先日は上司の誕生日だったのだが、娘さんからお手紙をもらってすごい喜んでいる様子がTwitterから伺えてほっこり…と思ったら、なぜか唐突に、自分の一番辛かった誕生日のことを思い出してしまった。そして、それを引きずってテンションが下がっている…。
今回の特別お題が「『選択』と『年齢』」ということで、それに合致してそうなので書いてみようかなって思って書いてます。
書いてみたらポエムになったけど、まあ、そういうお題だし、仕方ない。ブログに書くことで昇華していくぞ!

15歳の私

15歳の時に、法曹界へ行くことに決めた。

当時私の通っていた中学校は実験的な教育を試験的に行う学校で、「総合学習」なるカリキュラムがだいたい3割以上あるような学校だった。
その一環で「ディベート甲子園」という大会に出場することになったのだけど、その時のテーマが「死刑廃止論」だった。

総合学習の時間を使って「死刑廃止論の是非」について書籍を調べたり、フィールドワークにたくさん行った。
地域の弁護士会へアポをとったり、大学の教授に突撃したり、アムネスティーの人に会って話を聞いたりした。
弁護士会へのアポでは会長がわざわざ出てきてくれて、死刑に限らず様々なことを教えてくれた。
大学の教授はとても優しくて、中学生でもわかる言葉で法律について説明してくれた。


日本の死刑論については団藤重光先生の「死刑廃止論」という本が有名なのだが、図書館でこの本を借りてきて、隅々まで読んだ。
書いてあることのほとんどは意味がわからなかったが、「難しい専門書を読んでいる」ということが楽しかった。

「行ってみるといいよ」と言われて行ってみた裁判の傍聴会では、裁判官が「台に上がっていいよ」と裁判官席に座らせてくれた。
すごく眺めがよかったし、この場所で仕事をしている人たちがキラキラして見えた。

その年には「HERO」という大ヒットドラマが放映された。
木村拓哉扮する久利生検事がとにかくかっこよくて、検察官になると決めた。

こうやって色々書いてみるとものすごく安直なのだけど、仕方がない。
なんせ、中学生だったのだ。


25歳までの私

そんないろんなことに夢見ていた10年後の25歳の誕生日、私は法曹界に行くことを諦めて、何もかもうまく行かなくてすっかり落ち込むことになる。

大学選びも「法学部に絶対に行く」と決めて、「他の学部なら合格確率も高くなるから変えてみてはどうか」と進路指導や予備校の先生に勧められても頑なに変えなかったのに。
当時は法科大学院(ロースクール)設立のタイミングあたりで、法学部の人気が高く、偏差値も他の文系学部よりも高かったのです。
どうしても法学部がよくて、法学部以外じゃダメで、浪人までした。

法律を勉強してみて、これが結構楽しかった。
特に楽しかったのは会社法で、会社としてお金を稼ぐビジネスの面を仕組みとしての法律が統治規定しているという構造が面白かった。
会社法の授業を受けていた頃はライブドア事件(いわゆる、ホリエモン事件)が世間を騒がせたことがまだ記憶に新しいくらいの頃で、会社法に規定されている内容をうまいこと活用して会社経営を行っていた実例がすぐそこに会って、それもとても面白かった。

こうやって勉強したりしているうちに、私は「法曹界へ進んで検察官になる」ということよりも、ビジネスそのものに興味を持つことになる。
法律の勉強は、それはそれで楽しかったけれど、非常に困難なロースクールの受験を突破し、その後も必死に勉強し、さらに難関の司法試験を受けるのかと思うと、そのことに対して時間をかけたいと思うほどの情熱はもうなかった。
就職して、自分の手で早くお金を稼げるようになりたかった。


もはや惰性でなんとなく勉強を続けていたのだけど、なかなか「ロースクールには行かない。就職する。」ということ決断することができなかった。
なんせ、10年も法曹界に行きたいと心に決めていたのである。
それ以外の選択を自分がするということが全くイメージできなかった。
諦めるという選択肢は自分にはなかったけど、だからと言ってその他にやりたい仕事もなりたい姿も、何もなかった。
典型的なモラトリアム学生として、自分のキャリアを全く考えられていなかった。
法曹界に夢見る自分」を捨てることができなかったのだ。


25歳の誕生日

紆余曲折あって、ロースクールには進学せず、そのまま留年することになった。
浪人もしているし、ロースクール受験のために留年(休学含む)もしている。

そのことを決めたのは3月も半ばになってからで、当時の就活スケジュールではエントリーシートの受付を締め切っている企業もたくさんあった。
「選考はしません」と言いつつも4月1日になると一斉に内々定が出される。
3月になってから就活を始めた自分には、全く縁のない話だった。

4月の誕生日、25歳になった日、私は何者でもなかった。
なりたかったはずの法曹界には進むことも諦めていて、今とは違って超買い手市場だった就活においては、浪人して留年もしている自分が内定をもらえるとは(その時は)思っていなかった。

誕生日の日、就職活動からのアルバイトから家に帰ってきた私は、そのまま自分の部屋に閉じこもることになる。
紆余曲折あったこともあって、親ともギクシャクしていたのだ。

部屋に入ると、机の上にケーキと手紙と、プレゼントが置いてあった。
手紙には「何か節目のタイミングで渡そうと思っていたけれど、進学もしなかったし、就職もいつできるかわからないので、25歳という誕生日が節目なので渡します。」というような内容が書かれていた。
その後には、私のことを応援していること、就職活動で自分の納得する結果を得られることを願っているというようなことが書かれていた。


あまりにも自分のことが情けなくて、ケーキを食べながら、手紙を読んで泣いた。
法曹界に行きたいとあれだけ思っていたのにそれを初志貫徹することができず、就職したいと言い出したのは自分だったのに就職活動もうまく行っておらず、自分が言い出したことを何も守れずに親に迷惑ばかりかけている、そんな25歳だった。
周囲の同い年の友達はもう就職して立派に働いているというのに。四捨五入したら30歳になるというのに。
そんな感じの感情ばかりが溢れてきて、どうしようもなかった。


散々泣いたらなんとなく吹っ切れて、「なんか包み隠さずに正直にいよう」と思ってそこからいくつか面接を受けた。
就職氷河期じゃなかったっけ?」って思うくらい、いくつも内定がもらえた。
「どんな仕事がしたいですか?」っていう質問に対して「自分は何もできないし、自分に選択権はないんで、できることは何でもやります。会社だし、仕事なんで。」的なことを言う、何というかあまり可愛げのない就活生だったと思う。
そんな私のことを「面白い」と言ってくれる会社がいくつもあったことが不思議だった。
いくつかの企業を検討した結果、面接に出てきた社長が嘘をつかなそうな人だった、「はたらくを楽しもう」の会社に入社することにした。


32歳の今

32歳になった今年の誕生日、私はニートだった。
色々あって前の会社を辞め、この年齢で無職のまま、人生3回目の転職活動中だった。
アラサーだし、ニートだし、独身だし、住宅ローンの返済はあるし、25歳の誕生日よりも詰んでる感じがあるけど、「どうにかなるから大丈夫」の気持ちでいた。


「自分に選択権はないんで」と言って入社した1社目では、たまたまIT業界向けの部署に配属された。
そこで出会ったIT業界とオープンソースの考え方に魅了されて、どっぷりとそっちの世界にハマっていくことになった。
ITというかWebというか、そういう業界に染まっていて、エンジニアコミュニティの運営スタッフをやったり、ジンジニアって名乗ったり、何回か転職したりした。


今回の転職活動も順風満帆とは言えなかったけど、「自分が働きたいと思える会社がなければ独立してフリーランスでも食べて行くことができる」という思いがあったから、自分のキャラクターをつくったり、自分の考えや好きなことを譲る気は全くなかった。
(実際、今の会社でオファーをもらわなかったらフリーランスになるつもりでいた。)


特に何かを「選択してきた」という意識はないけれど、目の前にあることを一つ一つやっていくうちに、今にたどり着いていた。
25歳の時に何者でもなかったように、今も何者でもない。
だけど、若かった25歳の頃の自分よりも、今の自分の方がよっぽど好きだ。


25歳の誕生日に、辛くて情けなくて泣いていた自分に言ってあげたい。
年齢を重ねることは悪くはない。何かを「捨てる」という選択ができるようになる。
そして、目の前のことを一つ一つやっていくと、毎日が全般的に楽しいと。
25歳では想像もつかないだろうけど。





特別お題「『選択』と『年齢』」

Sponsored by SK-II

「ジンジニア」の成り立ち等に関するポエム

勉強会とかでちらっとLTしたこととかあった気がするけど、あまりまとめたことなかったので書いてみようという魂胆のポエムです。


このブログの最初のエントリーがこれ。
自分のことを「ジンジニア」って名乗りだしたのもだいたい同じくらいな時期だと思う。
「ジンジニアとは、人事としてもエンジニアとしても中途半端な立ち位置のことである」というお話。 - ジンジニアニッキ!


このエントリーに書いてある通りで、当時は採用担当しながら会社サイトのデプロイ権限を持ち、gitをコマンドで操作してました。
当初は「非エンジニアの人が同じような状況になった時に参考になれば…」と真剣に思ってblogを始めたんだけど、今から考えると同じような状況になるってこと、なかなかないよね…。


名前の由来というかそういう感じのこと

そもそも、「ジンジニア」という言葉はあまりポジティヴな状況から生まれたものではなかったです。


エージェント業からモバイルファクトリーへ社内人事(採用担当)として転職した私ですが、入社して2ヶ月くらいで前任の広報担当者が退職。
社内人事未経験ながら、入社して短期間のタイミング(まだ試用期間中やん!)で広報も兼任することになりました。
色々あって、サイト運用を担当していたデザイナーさんも同じ時期に退職。
広報業務引き継ぎのタイミングで業務フローがぐちゃぐちゃなことに気付き、現場に色々と負担がかかってしまっている状況を少しでも軽減できればと思い、当時のCMSMovable Type)の権限をもらったのが始まりでした。


その後、当時のサイトをリニューアルして静的なhtmlでサイトが構成されることになったのですが、「え、運用する人いないやん。どうするん?」という状況になり。
色々端折りますが、当時の自分としては一番この方法が現場にも負担をかけず、サイト運用もスムーズにできるだろうということで、開発環境とデプロイ権限をもらうように交渉したのでした。
(ここまでが入社して半年経ったか経たないかくらいかな)


ですが、リニューアル後のサイトは前サイトから画像のリンク切れがあって404アラートがなりまくったり、自分のスキル不足のせいでその後入社してくださったデザイナーさんと一緒にgitでバージョン管理をしたりブランチ切ったりという運用がうまくできなかったり、入社して初めての新卒採用で四苦八苦したり等で「あれ、私、仕事なんだっけ…?こんなことするために転職したんだっけ?」みたいなことを思うようになります。


そのことをちらりと(オブラートに包んで)SNSで呟いたところ「ジンジニア(人事+エンジニア)やん」っていう反応があり、「あー、それいいかも」と思って、その後から使っています。
「自分の仕事なんだっけ…」みたいなことで悩んでいたのも、「そっか、私はジンジニアをしているのかー」と思ってスッキリするなどしました。
こうやってモチベーションも一気に回復し、開き直って「だったらついでにセルフブランディングとして使ってやろう!業務にも役立ててやろう!」くらいの商魂たくましい感じの気持ちになったのでした。
(単純な性格であることがよくわかる…)


エンジニアがキャリアのベースな方が(兼任/専任などなどの関わり方は別として)人事や採用の側に寄っていくというケースは比較的あるのかなと思います。
例えば、マネージャーをしている人が自分のチームの採用に関わるとかそういうことも含めて。
ですが、人事がキャリアのベースな人がエンジニアリングに寄っていくという逆のパターンってあんまりないので、少数優位性があるのかな…とかとか。


セルフブランディングを始めたりとかのこと

多分、一番最初にでしゃばり始めたのがこれ。
2014年の6月だから、ちょうど3年前か。
Keynoteじゃなくてpreziでスライド作ってる…。
普通の by Mamiko Tsuda on Prezi


リンクではタイトルが見切れてるけど「とあるベンチャー人事の普通なおしごと」で、結論がこれ。
煽ってるよね…。
f:id:mameco0417:20170603011436p:plain


いろんな人に名前を知っていただけるようになったきっかけになったと思われるのがこれ。
2014年のPyCon JPでLTした時のですね。

www.slideshare.net


大きなカンファレンスで人前に出るのなんて初めてなので緊張して、この時は足も声も震えながらLTした記憶が。
技術の話じゃないので、「つまんねぇ、帰れ!」って言われたらどうしようとか思ってたな。
その後の懇親会とかそういうところで、参加者の人に声かけてもらえたりするようになったのがとても嬉しかったです。


カンファレンスでLTしても死なないんだなって思って、その後は人前で喋ることに対する恐怖感がだいぶなくなりました。
(完全になくなった訳ではない。やっぱり人前は苦手。)


ジンジニア(人事+エンジニア)になってよかったこと

セルフブランディングやらエンジニアの人に話しかけられやすくなったとか承認欲求とか、そういうこと以上に実務面でのメリットの方が大きいです。


会社サイトの運用に関して、業務フローやら手順やら色々やっていて感じたことだけど、「チーム作業をいい感じにする」という領域に関してはエンジニアリングの手法がたくさんあり、その他の職種よりもかなり進んでいると思います。
ツールやソフトウェアの活用を含め、自動化することによってミスを防ぐとか、情報共有の方法とか、チームビルディングやマネジメントの手法とか、コミュニケーションの取り方とか、そういうこと。
やり方は職種や職務の属性に合わせる必要があるけど、いろんな職種や領域において参考になると思ってますし、本来の人事やバックオフィスの業務に役に立つことが多かったです。


話飛びますが、gitって本当に優れたソフトウェアだなぁって思います。
あれは、すごい。(小並感)


採用やら人事やらバックオフィスの業務はとにかくルーティンワークが多い。
求められるアウトプットも、「常に問題やミスがなくできているという状態で普通」という水準だったりするので、確認やら細かい作業が多い。
以前はこれらのルーティンワークをミスなく行うことがひたすら求められていたりしたようだけど、最近は「攻めのバックオフィス!」みたいなことも多くて、これまでの作業とはまた違ったことを期待されていたりする。(それが仕事のやりがいだし、楽しいいところなんだけどね。)


そんな時に、エンジニアリング入門みたいな業務で感じたことや身につけた考え方・やり方はすごく良くて、手元の業務をできるだけ時間をかけずに最短距離で成果を出すこと、「頑張らずに頑張る」ことに力を注いでました。
もっと頭使って問題解決することに時間かけたいと思ってルーティンワークを圧縮して時間を捻出してたし、訳が分からないくらい謎に業務を兼務してたけど、残業もあまりせずに有給は全部使って楽しんでました。
完璧にできていたかと言われるとそうではないとは思うけど…。


バックオフィスの人、「プログラミングができるようになれ」とまでは言わないけど、「もうちょっとPCとかソフトウェアと仲良くなると、仕事がむっちゃ楽になるよ」ということは言いたい。
ITに強くなると、大抵の業務が降ってきたとしても「まあ、大丈夫、なんとかなるでしょ」ってなれます。多分。知らんけど。(関西人的なノリで)


これから

6月から株式会社はてな、っていうところに入社したらしいです。
職種は人事じゃなくなったので、もはや「ジンジニア」じゃないんですけど、まあ、このまま使っていこうかな。


これまでのキャリアでは人事、特にエンジニア採用という職種がコアな経験としてあるものの、なんかいっぱいいろんなことやり過ぎてゼネラリストとしての性質が強く、実はコンプレックスです。
やっぱり、スペシャリスト、すごい。尊敬する。


スペシャリストになりたい!って思っていた時期もあったけど、色々経験したりした結果、とはいえ色々できる・分かるっていうオールラウンダーな性質も悪くないなぁと思えるようになりました。
組織が大きくなってくるとスペシャリストだけではなくて、その間を繋ぐ人もやっぱりいるよね、って。
コンプレックスが完全になくなった訳ではないけど、「ゼネラリスト領域でのスペシャリスト」としてなんかいい感じにできればいいかなって思います。


このblogも、相変わらず気づいたこととか考えたこととかをまとめるためにたまに書く予定。
(blogを書くって方法は、ソフトフェアエンジニアの人たちがやっているのを真似してます。)


とにかく、人間の名前と顔を覚えるのが苦手すぎるので、良い方法があれば知りたい。


慣習として、例のあれを貼っておきます。
Amazon.co.jp


現場からのポエムは以上です。

【後編】転職活動で気づいた、採用が下手な会社と上手な会社

前回の続きです。
前回のエントリーが予想外にバズっており、小心者の私は非常にビビっております。
皆様のコメントがとても優しいのが嬉しいです。


ところで、ブコメの中に「お見送りの理由ってわかるものなの?」といった反応があったのが目に留まりまして…。
返答としては、「できるエージェントを利用していると、わかる場合も多い」です。
できるエージェントの人は採用企業側からも信頼がされているため、面接後の感想や評価を回収することができます。
自己応募だと企業側の反応やフィードバックを手に入れることはなかなか難しいですので、転職活動においてエージェントを利用する大きなメリットだと思います。


採用が上手だなぁと思った会社に見られる共通項

前回書いたことの反対です。
…と言うと元も子もなくなってしまうので、頑張って書きます。


良い印象を持った会社や面接に共通して言えることは、「素早く」「誠実で」「丁寧な」対応をしている会社なのかなぁと思います。


採用のためには会社や事業の状況、組織やチームのバランス、経営計画やビジョンといった様々な変数を考慮する必要があり、だからこそ「なかなか良い人がいないなぁ」なんてことになるのが一般的かと思います。


上記3つを実現するためには、採用に関わる人それぞれが「会社/事業/プロダクト・サービス/チーム/自分は今どんな状況で、それらを今後どのような状態にしていきたいのか」ということを考えて言語化することが重要です。
それがあって初めて、どういうスキルセットやマインドを持った人にどういう仕事を任せたいのかということが具体化されるのだと思います。
ですので面接や選考という場は、自分たちの状況について日頃からどのくらい考えながら仕事に取り組んでいるのかということが如実に現れてしまう場なのかもしれません。


1. インターネットに公開していない情報も提供してくれる

せっかく時間をとって面接や面談を実施するわけなので、会社サイトやインタビュー記事等に書かれていることだけでなく、その場でしか話せないことや足を運ばないと感じられない情報を手に入れていかないと互いにとって機会損失だと思います。

私の場合は先のエントリーに記載の通り、「課題」について質問することが多かったです。
話の流れや相手に合わせて「課題は何ですか?」と直球に聞くこともあれば「困っていることはどんなことですか?」と聞くこともありましたが、それらの質問に対して真摯に答えようとしてくれる会社は印象がよかったです。

「課題は何か」という質問と合わせて「それらの課題に対してどう解決しようとしているのか/どのように取り組んでいるのか」といったことも合わせて聞くようにしていました。
これは、自身の経験で「大きなビジョンや理想像は掲げているが実態が伴わない」というケースにも遭遇しているためです。
「認識はしているが手が回っていない」と率直に答えてくださる会社もあれば、「難しいからねぇ…」と半ば諦めている会社もありました。
課題解決に対して動いていることが望ましい状況ではあるのですが、手が回っていないという状態もとてもよくわかりますし、だからこそ人を採用したいという話に繋がると思います。
そうした面も含め、会社の状況について包み隠さずに教えてくれる会社に対しては誠実さを感じました。


ちなみにですが同じ会社であっても面接官それぞれの立場によって課題の捉え方が違うこともありました。
それらをつなぎ合わせることで会社全体の課題もなんとなく見えてきたりして、とても興味深かったです。



その他、ちょっと聞きにくいようなことも割と聞いていたりしました。
参考までに、ざっくり自分の質問内容を列挙すると下記のような感じです。

  • 組織構成 (会社全体の職種分類、配属予定部署、チームの人員構成など)
  • 会社の組織を今後どのくらいの規模にまで成長させたいのか。それは何故か
  • 今後採用を強化したい職種やポジションは何か。その採用は何故必要なのか
  • 応募しているポジションの採用背景
  • 職務内容やミッション
  • 仮に自分が採用された場合に期待役割やアウトプット
  • (資金調達したスタートアップの場合)調達した資金で強化したい分野
  • IPOやバイアウトを視野に入れているのか
  • 投資家との関係性
  • 競合するサービスやプロダクト、同業他社との違い
  • (AIやディープラーニング等の新しい技術を取り入れている会社の場合)それらの技術をプロダクトのどのようなところで使っているのか
  • (法的なリスクがあるサービスやプロダクトだなと感じた場合)こういう法的なリスクがありそうだが、それについてどう思っているか。リスクを認識しているのであれば、どのような対策を行なっているのか


質問に対する回答の中身も重要なのですが、それ以上に、質問に対してどのように対応するのかという点に会社の採用に対する考え方が現れるように思いました。
質問の中には「今は(ビジネス上の理由等から)答えられません」という反応もありました。
そういった反応を含め、率直かつ真摯に情報提供をしようとしてくれる企業の方が、自分はより好感を持ちました。


色々質問をしていくと会社の今の状況や目指している方向性が見えてきます。
今まで知らなかったことや「思っていたのと(良い意味でも悪い意味でも)イメージが違う!」といったことにたくさん遭遇しました。
転職活動においては公開されている情報だけではなくて、こうやってリアルな情報を収集することも意味あることだなぁと改めて思いました。


2. 「何を考えているか」を深掘りして聞き出そうとしてくれる

表面的な受け答えだけで判断するのではなく、何を考えているかまで聞き出そうとしてくれる姿勢はとても嬉しかったです。
相手の考えを深掘りするというスキルはものすごく高度なものだと思います。
ですが深掘りする質問をしてくださった方は皆、職務経歴書の内容をきちんと読んでくださっていたり、私のブログや公開しているスライドに目を通してくださっていました。
とても難しいことではあるのですが、事前の準備で大きく変わってくるのかなとは思いました。


今回の転職活動において私は、自分自身のことを盛ったり隠したりキャラクターを作ったりしないように心がけていました。
相手に合わせるようなことをすることによって、入社後に「やっぱり違ったね」となるのは互いにとって不幸なことだと考えるからです。
割といつもテンションが低く*1、とある適性試験の結果によると出現確率2%程度のレベルで内向性が強く、合理性を好んで空気を読むのが苦手…という私は、世の中一般的に想起される「人事」とはちょっと違うように感じられることも多かったようです。

面接でよくある質問で「一番うまくいった、効果があった施策はどんなものですか?」というものがあります。
私にとってこの質問は答えるのがとても難しいものでした。
というのも、私はこれまで何か大きな施策で採用の結果を出してきたというよりは、以前のエントリーのような細かい業務改善を行ったり、面接の準備や一つ一つのコミュニケーションを工夫したり、業界の動向を情報収集するようにしたり…ということが成果につながってきたと捉えており、その一つ一つの取り組みは当たり前過ぎて「施策」と言えるのかどうか…と思っていたからです。(質問に対しては率直にこの通り答えていましたが。)


こうしたことから「もっと明るい人が良い」「人情味溢れるタイプの人が良い」「情熱が感じられない」「成功体験の再現性がなく、スキルが低い」といった理由でお見送りになることも何回かありました。
こういった会社とは「ご縁がなかったんだな」とは思いつつも、考えや思いが伝わらない状況にモヤモヤすることもありました。

正直、私の伝え方が下手くそなのだとは思います。自分の考えを表現することは苦手分野でもあります。
一方、採用人事の経験から面談や面接という場には慣れていルものの、それでも自分のことを語るというのは難しいことだなぁと思いました。
採用経験者でもこんな感じなので、それ以外の方はもっと緊張したり、うまく伝えられないもどかしさを感じたりするのではないでしょうか。



逆に、非常に印象に残っている質問もあります。
過去の取り組みや工夫したことやそれに対する自分の評価等を聞かれていたのですが、「言葉だけを聞いているとやる気がなさそうな印象を持ってしまうのですが*2、やる気がなければこれまでの実績や成果は出せないように思うのです。なんで成果が出るまで工夫をしたり続けたりできたんですか?」というものでした。
言葉の細かいところまでは覚えていないのですが、そんな感じです。
その質問を受けて「確かに。なんでだろうなぁ…。」と考えることになりましたし、自分では気づいていなかった新たな側面を引き出してもらえたように感じてとても嬉しかったです。





3. 自社の状況に応じた採用可否の判断をする

中途採用においては「タイミング」も非常に重要な要素です。
考え方、社風、フィーリングが合致しポテンシャルを感じることができたとしても、今このタイミングで入社してもらうことが自社にとっても本人にとっても良いことなのかどうかを考える必要があります。

特にスタートアップやベンチャーでは社員数も少ないことが多く育成にあまりコストをかけることができないため、入社後すぐに即戦力として成果を出すことを求められることも多いです。
フィーリングやカルチャーがマッチすることももちろん重要ですが、その部分のフォーカスしすぎて実はスキルがミスマッチだった…ということも良く聞く話です。


今回の転職活動では職種を人事に絞らず、幅広く選考を受けたり話を聞きに行ったりしていました。
とあるスタートアップから「こういった業務(人事以外の分野)を担当してもらうのは可能性としてどうか」というお話をいただいたことがありました。
実際にお会いしてお話を伺い、先方も私にとても興味を持ってくださったようでフィードバックも「是非!」といった勢いのある感じだったのですが、再検討した結果お見送りとなりました。
落ち着いてその会社のフェーズや会社の成長のために必要なこと等を考慮した結果、ポテンシャルや社風とのマッチの面は高く評価してくださったものの、スキル面で今のこのタイミングで採用すべき人材ではないという検討結果でした。


自分もその会社の話を聞いた後、私がその業務を担当することが本当に今のその会社にとって良いことなのかどうか「大丈夫?」と感じていたこともあり、非常に納得感があるお見送りの理由でした。
また同時に、勢いやフィーリングで採用をするのではなく、今の会社にとって必要なことを見極めようとしている点にとても好感を持ちました。
今回はご縁がなかった会社ですが、またどこかで何かしらの形でご一緒できる機会があるといいなぁと思っています。


4. ネガティヴな点についても考慮している

人を採用するということにあたっては「この人を採用すれば万事うまくいく!何も問題は起きない!」ということは難しいです。
また、人間は不完全なものですから「この人のこういう面、個性として尊重はするけれども実際大丈夫かな」といった心配があって当然だとも思います。
そういった懸念やリスクについて率直に伝え考慮している会社は、ただ頭数で採用しようとしているのではなく、その人のことをちゃんと理解して尊重しようとしていると感じました。


例えば、とある企業では「任せようと思っているポジションは業務範囲がカチッと定義されているものではなく、自分で仕事を見つけていってもらうことも期待しているポジションです。そんな環境で働くことはあなたのやりたいことと合致していますか?」というストレートな質問がありました。
また、既述の通り私は割と合理的なことが好きで感情的なアプローチに対応するのが苦手だったりするのですが、「社員の中にはエモーショナルなコミュニケーションを好むタイプの人もいますが、そういった人とうまくやっていけそうでしょうか?」といったことも聞かれたことがあります。

人によってはそのような、ある意味ネガティブな質問をすることを不快に感じる人もいるかもしれません。
少なくとも自分の場合は、何か不安や心配な点があるのであればそれを率直に聞いてくれる方がありがたかったですし、「ああ、互いに幸せになれるかどうかということを考えているんだなぁ」と感じました。


5. 対応が早い/対応期限を教えてくれる

いうまでもないことかもしれないです。
やはり、レスが早いと「本当に採用を大事に思っているんだな」と思います。

ただ、様々な事情で、すぐに結果を出すことができないということもあります。
そういう場合には、例えば「結果まで1週間程度かかるかと思います。お待たせして恐縮です。」といったことがあるだけで随分と印象が違うなぁと思いました。
「結果が出るのいつだろう?」というヤキモキも軽減されますし、その1週間を待ちたいかどうかは私が決めれば良いことなので。


レスが早いということは単に印象をよくするというだけでなく、その会社の意思決定スピードや、現場や担当者に権限移譲ができているかというバロメーターの側面もあると思います。
「うちの会社はスピード感があって裁量権もありますよ!」といっている会社が、選考のレスが遅く、結果を出すのに面接官以外の人と調整をしなければいけない…というのでは矛盾しているからです。

ところで、自分が面接官をひとりで担当していた時は「この人いいな」「自分ではこの点*3が判断できないから、次回あの人に会ってもらおう」といった時はその場で(自分の)選考合格の旨を伝えて、場合によってはその場で日程調整もしていました。
割と一般的な面接のやり方なのかなぁと思っていたのですが、案外他の会社ではやっていなかったりするようです。
小手先のスキルではありますが、良かったら使ってみてください。


まとめ&終わりに

自分は社会人になってから、エージェントや社内人事と形を変えつつも「採用」というものにずっと関わってきています。
先のエントリーのようなことは以前から知っていたことではあったのですが、転職活動をしたことで再認識しましたし、改めて学びにもなりました。


「当たり前だよね」というようなことばかり書きましたが、では「お前はこれまで書いた当たり前のことをいつでも100%できていたのか」と問われると、正直なところ自信はありません。
業務効率化がうまくできていなかったり何かと忙しかったりで時間と心の余裕がなく、ついつい対応が雑で遅くなってしまうといったことも実際にありました。
また、人事という職種でありながら人間の対応が苦手という私は、面接や面談が上手くできなくて悩んだり、相手の話をうまく引き出すことができず、自分にがっかりすることも多くありました。
今回の転職活動を通じて、例えばですが「ああ、レスが遅いだけでこんなにも会社に対する志望度や好感度が下がるんだなぁ」「話を聞き出してくれるとすごく嬉しいなぁ」といったことを改めて経験したことはこれまでの内省にもなったと思いますし、今後の糧にしたいとも思っています。



今回の転職活動において自分が選考を受けていたのは採用が上手くいっていない(だからこそ採用人事を採用したい)、人事という専任者を初めて採用したい(専任者がいないので採用というものがそもそもあまり良くわからない)といった企業も多く、だからこそ自分が経験したようなことが起こりやすかったのだと思います。
ですから仮に自分がそれらの会社に入社していたら、基本的なことをやり直すところから始めたのではないかと思います。



(広く)IT業界は人手不足が蔓延しており、どこの会社も採用に力を入れています。
人事や採用に関するメディアでは様々な会社の成功事例やノウハウが掲載されていますし、採用に関する勉強会も盛んに行われています。
そういった記事や勉強会では、「こうやったらうまく大量採用ができた」「採用ツールの活用法」「採用広報のためにオウンドメディア運用」「リファーラル採用を成功するためには」といった内容が多数共有されています。
そのこと自体を批判するつもりも、否定する意図もありません。
私自身、これらの情報を参考にすることもありました。


ただ一方でずっと思ってきたのは、採用には銀の弾丸はなく、今回私が書いたような基本的なことをコツコツと実施すること、そしてその基本的なことを常に実現できるように業務をきちんと見直すことも成功に繋がるの方法なのではないかということです。
実はごくごく基本的なことを当たり前にすることが採用や組織における課題を解決するための本質に繋がっていて、施策はその基本的なことの上に成り立つものではないか。
他社の事例研究や斬新な施策の企画実施も大事だけど、もっと足元を見直してみるところから始めてみても良いのではないか、とも思うのです。


本当にありきたりなことしか書いていないので、まさかこんなにも拡散されるとは思っておらず、びっくりしています。
知り合いに「なんでこんなに拡散してるの?何が良かったのかさっぱりようわからん。」っていうようなことを聞いてみたところ、「その当たり前を言語化することに価値がある」と言われ、「なるほど」と思ったりしました。

少しでも採用や転職に際して参考になる要素があれば嬉しいです!

*1:ポジティヴに表現すると「落ち着いている」とも言います

*2:ちなみにですが、ここでお互い爆笑してしまいました

*3:例えばエンジニアの技術スキル等

【前編】転職活動で気づいた、採用が下手な会社と上手な会社

様々な事情があってしばらく自宅警備員をしながら転職活動をしていたのですが、ようやく落ち着いたので書いています。

タイトルちょっと煽り気味ですが、今回の転職活動では20社くらいの話を聞いたりしていました。
そこで「なるほどなぁ」って思うこともあったのでちょっとまとめてみようかなと思った次第です。

記事をを書くにあたっての前提として、自分のステータスですが

  1. 後期アラサーなので社会人経験も人生経験がそれなりにあり、第二新卒ではもうないし、「若手」とも言えずベテランに片足突っ込んでる感じ
  2. 人材紹介会社にいたりコミュニティにいたり採用人事やってたりなどしているので、IT業界の他社のことはなんとなく情報が自動的に入ってくる
  3. (転職活動の中で気づいたことだが)経験年数の割にどうやら仕事上の修羅場経験はそこそこある
  4. 今回は人事とかバックオフィスとかのいわゆる「ビジネス系職種(エンジニアではない)」で転職活動をしていた

という感じです。


採用があまり上手じゃないんだなぁっていう会社に見られた共通項

世の中全ての会社が自分とマッチするわけじゃないですから、選考に落ちるということも当然ながら摂理でありまして。
ただ、「選考を通して悪い印象を持ってしまう」というのは採用において良くないと思っています。
今はミスマッチだったとしても将来的に縁があるかもしれないし、なんなら周囲の人に「あの会社、選考受けたけど良さそうだったよ」とかなることもあるし、選考を受けたことをきっかけにサービスのユーザーになってくれるかもしれない。

つまりは、ご縁がなかったとしても会社のファンになってもらうことって大事だよねって思うんです。
面接があまりだなぁっていう会社は、「選考して採用をする」というプロセスだけでなく、「ファンを作る」という面が抜けているのかもしれないです。

そして、面接や面談では会社側が候補者側を選考するという面にフォーカスされがちですが、候補者側も会社を選考していることは忘れがちなように思います。

1.基本的なマナーがあんまり

ITの事業会社(いわゆるベンチャーと呼ばれるような企業群)を中心に選考を受けていたので、大手日本企業的な感じのビジネスマナーは期待していないし、自分もどちらかというとラフな感じで選考や面談を受けていました。
とは言え、「ん?」って思ったりする会社は面接内容の以前に印象が良くなかったなぁという感じです。

例えば

  • (リモートで面接している等の理由がないのに)面接終了後にお見送りをされない
  • こちらからの質問に対して質問で返される
  • 質問に答えている途中でショートカットされる(話が長かったら仕方ないが、毎回2-3言目くらいでカットされたり)
  • 面接の最中に業務の作業をしている。特に、複数の面接官がいる際の主で面接を仕切っていない面接官…(PCでメモ取るのは全く気にならないけど。後ろのガラスにディスプレイ写ってますよ!)

といった感じのこと。
「そんな細かいこと気にするな」と言われるとまあそうなんですけど、面接官がビジネス系職種の方の場合は、こういったマナーもビジネススキルのひとつなので余計に気になりました。
(一緒に働く人の仕事のスキルはこのくらいなのか…なるほど…って思っちゃいます)

ビジネスマナーと類似したあるあるとしては、「面接官の自己紹介がない」というのもありました。
こちらとしては、相手に合わせて話す内容や表現、質問内容調整していたりするので、面接官がどういう人なのか知りたいなと思います。
例えば、エンジニアなのであればエンジニア採用のことやコミュニティ等で会社のPRをしたことなどを話した方が伝わりやすいでしょうし、人材紹介会社出身者であれば当時所属していた会社でどんなことやっていたかの説明はサクッとで伝わるだろうし…などなどそういうことですね。

2. 求人票と中身が違う・業務内容やポジションの説明をしてくれない

自分のような経験者の場合は「主要なミッションはありつつも、幅広くやってもらう」とか、「経歴を見て、こんな感じのことを任せたいと思っている」といった変則的な形で選考に進むことも多く、求人票に書いてある内容が必ずしもポジションと一致していなかったりします。
さらに、人事やバックオフィスといったポジションは会社の成長に応じて解決すべき課題も変わってくるので、成長している企業ほど「この仕事をお願いします」といった業務内容を個別具体的に定義することが難しかったりします。
だからこそ、面接においては「期待している役割・業務内容は何ですか?」とか「今見えている組織の課題は何ですか?」とかそういったことを聞いたりしていました。

という前提なので、求人票の内容が多少ずれているとかいったことは気にしてませんが…

  • 「○○の立ち上げ」(人事とかバックオフィスとか)と書いてありながら、実は半年ほど前にその部署やポジションの立ち上げは完了している
  • 職務内容や期待について質問すると「求人票に書いてあることが全てです」以上のことを教えてくれない(求人票には「人事全般」とざっくりしか書いてないけど?)
  • 「採用に限らず幅広く業務に携わっていただきます」と書いていながら、面接官からは「このポジションは採用担当なんで、採用だけやっていてください」と言われる

みたいなことですね。
何か求人票の内容と変化していることがあればそれは教えてほしいし、入社後のイメージを持つためにもチームの状況やそこで自分に期待されることとかは説明してほしいなぁと思いました。

最後の点については「幅広く業務に携われる」という魅力的なキーワードを求人票に書くことよって応募が来るようにしているんだと思うんですよね。
でも、実際は違うと。
ならば、求人票に「幅広く業務に携われる」といったことを書かない(実態に求人票を合わせる)か、実際に幅広く携われるように環境を作る(求人票に実態を合わせる)かのどちらかをしないと、面接の時間が無駄になったり、最悪の場合には入社後に「やっぱり違った」ってなっちゃうと思うんですよね。


3.「特に課題はないです」と言われる

2の通り、組織課題について質問をすることが多かったのですが、その際に「うまくいっているので特に課題はないです」と言われることもありました。
また、「組織の課題は、人が足りないことです」以上のことが出てこないことも。

成長しているベンチャー企業にとって採用はかなり重要な組織課題ですし、採用ができる人事は少ないのでそこを期待されていることは充分に理解ができます。
ですが、例えば組織がここ半年で倍になっていて、そこからこの1年でさらに3倍規模にしようとしている会社において「採用だけ」していれば良いということは考えにくい。
例えばサービスが急成長している会社でここ数年で社員数が一気に数百名規模になり、年間3桁人数ほど採用している会社において「厳選採用をしているから組織には課題がない」ということも考えにくい。

おそらくそういった回答をする会社は

  • 組織の課題を考える人よりは、とにかく採用をやっていてほしい(頭使わなくていい)
  • 実際に現場では様々な課題が起きているが、人事(あるいは面接官)が気づいていない
  • 秘密主義で、入社後も一部の幹部社員以外には情報が共有されない
  • 課題といったマイナスな面を選考や面談の場で伝えることによって会社にネガティヴな印象を持たれてしまうのではないかと怯えている

といったことがあるんだろうなぁって思ってしまいます。

人事としても社会人としてもそれなりに経験があり、会社組織というものが完璧ではないことを知っている私にとって「課題がありません」と言われることはかえって「面白くなさそうだなぁ」という印象を持ちました。
課題がなくて作業しかやらなくて良いのであれば自分みたいな経験者じゃなく、これから経験を積みたい若手や第二新卒を採用すれば良いのになと。

もしくは、「採用に力を入れている」と言いつつ実際はとにかく頭数だけを追いかけていて、従順に動いてくれる兵隊的な人が欲しいのかもしれないです。
どれだけ採用広報に力を入れていたとしても、福利厚生が充実していたとしても、お給料をちょっとだけ多く積まれたとしても*1、面接でそういう印象を持ってしまったら、事前に持っていた良さそうな印象は吹き飛んでしまいます。

4. 話を聞かれない・無駄話を一方的に聞かされるだけで面接が終わる

これも各社あるあるだったのですが…。
「カジュアルな場なので」ということで会社の説明だけで終わったり、全く関係ない無駄話を聞かされるだけで終わったりすることがままありました。

会社の説明や無駄話が意味がないとは思いません。
が、やはり私自身のことを相手に知ってもらえないと入社後に「やっぱり違った」となるのではないかと思って不安になります。
入社した後に「この人はこういう人だね」というのをある程度知っていてもらえないと難しいなぁと。

ちょっと話は飛びますが…
最近はWantedlyの普及等の影響で「カジュアル面談」という形で正式に応募をする前に接点を持つことも増えて来ています。
この「カジュアル面談」ってすごく難しいと思っていて、対応する採用人事のスキルと力量が問われる場面のように思います。

ところで今回の転職活動で起きた一番の面白話としては、

  • 先に面接を2回受けており、その会社に対して良い印象を持っていた
  • 3回目の面接では「社風とのマッチを見ます」と言われたが、自分の経歴や今後のキャリア等に関しては一切質問をされず、相手方の無駄話をひたすら聞くだけで終わった
  • その次に「さらに社風マッチを見るので、社員と交流してください」というような選考があった
  • 選考に落ちたのだが、そのお見送り理由が「明るく人を引っ張ってくれるタイプを期待していたが、違った(要約すると、思ったより暗い)」

心の声「えっと…最後の選考までに3回も面接あったけど、明るい光を振りまくタイプではないってこと、気づかなかったかな…。これまでいろんな人の時間を使って選考したけど、このお見送り理由だとその時間、ものすごい無駄だったと思うんだけど…。」

私、入社しなくてよかったね、という感じでした。

あまりに面白すぎたので家族にLINEしたところ、親から「うちの娘は心が優しい子なんや!ちょっと不器用なのと、仕事ではプロフェッショナルに徹しているだけなんや!!プロフェッショナルを求めていない会社なんて滅びてしまえ!!!」という、過激かつ愛に満ち溢れる励ましの言葉をもらうというオチもつきまして、こうやってblogのネタとして昇華されることになりました。

なお、本項目の変形パターンとしては、「直近半年間くらいに経験したことに関してしか質問されず、その結果スキル不足という理由でお見送りになる」というケースもあったことを追記しておきます。


5.レスが遅い

もうこれは言うまでもないですね。
何かしらの理由があって選考に時間がかかることもあります。
例えば、私のスキルや諸々に合わせて新しくポジションを作ってくれているとか、1名採用のポジションで同時並行で選考を進めているとか…。
とはいえそういうのはイレギュラーであり、応募の初期には起こらないことかなと。
また、どれだけ応募が多くて忙しかったとしても、1週間くらいあれば対応できるよね…。

今回の転職活動では、応募から1.5ヶ月後にようやく連絡が来たというケースがありました。
しかも、「連絡遅くなってごめんなさい」トーンではなく、しれっとした感じで。

世間一般的には「ブランディングができていて、採用が上手だ」と言われていて、そこそこの人数で採用チーム体制を組んでる会社さんだったので、「そういう会社でもこういうことあるんだなぁ」ちょっとびっくりしましたが。
まあ、ご縁がなかったということですね。



書いていたら、「採用が下手な会社」の話だけで長くなってしまったので、上手だなと思った会社の話はまた今度。

(2017/5/25 追記)
後編をアップしたので、タイトルに「前編」ってつけました。

*1:ものすごく多かったらそれはそれで割り切ってしまうかも…という現金さはありますが

<番外編>海外留学に行ったら交通事故で死にかけた話

表題の通りなのですが、英語を勉強するためにアメリカに留学したら交通事故で死にかけた経験があるので、その時のことを書きます。
どこかのタイミングで記事にしておこうかなと思ってたけど、ずっとそのままだったので。

経緯とか

諸事情で大学を5年半通うことになったので、卒業したのが9月でした。
日本の会社に内定が出ており、その入社は(いわゆる新卒一括採用だったので)4月。
つまり、半年くらい暇ということです。
なので、「社会人になったら絶対にできないこと」ということで英語を勉強したり異文化に触れておこう、みたいな感じの目的を持ってアメリカに語学留学することになったのでした。

どんな事故だったか

私はSan Rafaelという、San Francisco の北エリア*1の語学学校に留学をしており、同じ地域の家にホームステイをしていました。
その日は学校が手配する旅行*2でLAへ車で行くことになっており、それに参加していました。

早朝に車(VAN)で出発し、夕方ごろにLAに着くという強行スケジュールながら、お手頃価格でいろんなところに行けるということで、私は語学学校の友達と一緒に参加したのでした。
確か、留学を開始してから2週間くらいだったかと思います。

LAに行く途中の高速道路で運転手が居眠り運転をし、VANが道路から外れて脇に突入、そのまま車が横転して車外に放り出されるという事故でした。
その時の記事を探したけど見つからなかったな…。

私は頭を打って流血しており、さらに足首も骨折という事故でした。

色々ショックだったこと(医療関連編)

①人種とか保険とかで判断される

頭打ってるということで私はヘリコプターで病院に緊急搬送されました。
この時、ベネズエラ人の友人もVANに同乗していたのですが、彼女の方が私よりも怪我がひどく、緊急を要する状態だったんですね。
ところが、これは後から聞いた話なのですが、彼女はヘリコプターではなく、救急車で搬送されたとのこと。

なぜなら、ベネズエラ人で、お金持ってないから。
保険も私のよりもカバー範囲が限定的だったから。

その場にいた別の友人の話によると、私の国籍を(友人及び私から)確認した際には、保険の有無や保険証の提示を求められることはなかったが、ベネズエラ人の彼女には、搬送前に保険証の確認をしていたとのこと。
いやはや…。

②医療費、高すぎ

その後の通院も含め、トータルで15万ドル強かかりました。
当時のレートで1200万円くらいでしょうか。

すんごいうろ覚えなのですが、高かったなーと当時思った内訳は下記

  • ICU :1万ドル/日
  • 緊急搬送(ヘリコプター):2万ドル
  • MRI:4000ドルくらい/回


1回の通院ごとに数百ドル〜数千ドル(数万円〜数十万円)かかるイメージ。
留学先の地域は車がないと話にならない地域でもあったので、往復の交通費(タクシー代)もバカにならなかったな…。

幸いなことに手術は必要がない怪我ではあったのですが、それでこのお値段。
この時私が加入していた留学保険は、事故や怪我の医療費カバーが限度額ナシだったので全額保険でカバーできました。
保険がなかったら破産するしかなかった…。


また、限度額ナシの保険だったおかげで必要な治療や検査を全て受けることができました。
さらには、医療通訳のサービスがついていたので、お医者さんからの説明を正しく理解することができました。
ほんと、AIUさん、ありがとうございました。


その後、日本に帰国してから手術の必要が見つかり、1週間ほど入院して手術を受けたのですが、20万円ほどで済みました。
その医療費も、高額医療費払い戻しの制度を利用して一部戻ってきました。
日本、本当に素敵な国だなぁと思ったのでした。


③病院、すぐに追い出される

手術の必要がなかったとはいえ、ICUに4日間いたくらいの大怪我ではありました。
…が、トータルの入院は6日間で退院しました。


むっちゃ頭痛いし、フラフラだし、骨折してるから歩けない状態だったけど。
日本だったら、もっと長いこと入院してたんじゃないかな。多分。6日間だけってことはないよね。


④薬、ムッチャ強い

頭を怪我していたので頭痛がひどく、そのため退院時には痛み止めを処方されました。
まあ、これ飲んで寝ておけ!っていうことですね。


で、この痛み止めがよく効くこと。
なんか怖かったので、日本にいる医者の友人になんとなく「ねー、こんな名前の薬を処方されたんだけど、大丈夫かな?」と聞いてみたら、「え!その薬、日本だったら癌患者の痛み止めに処方されるくらい強いやつだよ!!」と言われたのでした。
いやはや、びっくり!!


それを聞いてから、なんか怖くなったので飲まないようにしました。
治療用の薬じゃなくて痛み止めだったし…。


色々ショックだったこと(事故後の対応編)

これはですね、「The 訴訟社会」のヒトコトにつきます!


まず、あいつら、絶対に謝らない。
弁護士という肩書きの人が出てこない限り、交渉にも応じない。


日本だったら、(ここまで大きな事故はそうはいかないと思いますが)「弁護士やが入ると大変だし、当事者同士でよしなに…」とか、保険会社が間に入ってくれるとか、そういうのあると思うんです。
アメリカでは、ゼェェェェェーーーーッタイにそんなことありません。


んでもって、私が日本人だということでなめてかかってくる。
つまり、
「日本人は主張しない」の原則 + 若い女性 + 留学生なのでひとり +(語学留学なので)英語力が高くない = 弁護士は出てこない
ということでバカにした対応をしてくるんですね。


留学前からアメリカのTVドラマが好きでよくみてたし、訴訟社会だというのはなんとなく知ってはいたけれど、自分が当事者になってみると「こんなにもか!」って思いました。


相手にとっては残念なことだったのですが、「日本人は主張しない」の原則から外れる日本人だったので、自力で警察署に行って事故資料をもらったり、弁護士を探してきて時間をかけて交渉をすることになります。
そして、相手がバカにしてきた要素である「若い日本人女性」であることを逆に利用したりしました。*3
おかげさまで、半年間という短い留学期間の割には英語が上達しましたし、日本に帰国してからも1年以上交渉が続いたので、英語力をできるだけ落とさないでいるためのモチベーションにもなりました。

色々ショックだったこと(番外編)

①わ、私の英語、全く通じていない…!?

事故発生後に救急隊がやってきて病院に搬送されるのですが、その際に意識確認やID確認のために名前、国籍、職業、アメリカに来た理由を聞かれるんですね。
これは、日本の救急隊でも同様かと思います。

で、何度もなんども聞かれるんです。

「私は2週間もアメリカに留学しているのに、名前や国籍すら伝えることのできないくらいの英語力しか身についていないのか…この期間の留学費用は無駄になってるのか…。」
と真剣にがっかりしていました。
大怪我してるのにね。

後から「あの時のあれは、意識確認だったんだな」って思えるのですが、事故真っ只中の時はそんな感じ。

②初めてのヘリコプターなのに外の風景が見れない!

ヘリコプターで病院に緊急搬送されるわけですが、実はこの時が人生初のヘリコプターだったんですね。
で、ヘリだと聞いてちょっとテンション上がった私。

救急隊の人に「ねーねー、外の風景が見たいから起き上がりたいんだけど」って言ってました。

大怪我して、起き上がるどころじゃないのにね。
アドレナリンの力、すごい。

海外で事故を経験して思ったこと

日本ってなんて良い国なんだろうなと思いました。
医療費は無料ではないけれども、保険料は比較的お手頃で、保険適用内であれば破産することのない程度の医療費で済むくらいには社会保険が充実して、病院に気軽に行ける。
留学する前は当たり前に思っていたことですが、安心に暮らすことができるための基盤となっている素晴らしい制度だなと思いました。


もちろん社会保険制度が綻んでいることは知ってるし、色々問題があることも重々承知ですが、この制度が存在しているということは本当にすごいことなんだと、今でも思います。
だからこそ、救急車をタクシー代わりに使おうとするような、制度を破壊する行為を取る輩には腹が立ちます。


高齢化によって今のままの制度を維持することは難しいですが、少なくともアメリカのように、社会保険が実質存在しないような状態にならないようにいてほしいなと思います。*4

海外留学や旅行を考えている人へ

保険はケチらずに良いやつに入ってください!!!!



現場からは以上です。

*1:ちなみにですが、いわゆる「青いアメリカ」のエリアで、豊かでリベラルな人たちが集まる地域です。

*2:School Trip/ 語学学校では半日程度のツアーや読書クラブやら、様々なアクティビティがあり、そのうちの一つでした。

*3:アメリカは陪審制なので心証もすごく大事。ということで日本人の誠実なイメージ・印象は有効でした。

*4:が、現実問題としては難しいので、日本にずっといるのであれば覚悟するしかないですね…。

業務改善のために取り組んだことと沼からの脱出方法について

たまにはジンジニアっぽいことを書いてみようかなと。

2016年の4月に現職に入社したのですが、入社して一番びっくりしたことは、足元の業務が思いっきりカオスだったことでした。

カオスな状況

  • Googleドライブの管理がエリアスではなくすべて個人で権限がついており、入社しても必要なデータがすぐに見れない
    • というか、部署や業務として必要なデータがフォルダにまとめられておらず、個人で管理されている
    • 同じ名前のファイルが複数あり、どれが最新なのかも不明
  • そもそも使われていない、あるいは存在すら忘れられているメーリングリストがある
  • 現在進行形で使われているメーリングリストに、(過去の経緯から)現在は不要な人が入っている
  • 必要な書類がデータで管理されておらず、紙で保管
    • その紙も、コピーのコピーのコピー、という状態のままで管理されており、印刷が歪んでいたり変な斑点が入っている状態のものを利用せざるを得ない
  • マニュアルやドキュメントが存在せず、何が正しい業務フローなのか不明
    • ついでに言うと、ミーティングの議事録も存在していなかったので「言った/言ってない」「聞いていなかった」などなどの状況も発生
  • 人事管理システムの運用がうまくなされておらず、システムに入っているデータが本当に正しいのかどうかが分からない
    • そして、データのエビデンスを参照しようとしても、元データが保存されているはずのGoogleドライブが前述の通りなので、探すに探せない
  • いろんな書類やらフローやらがアナログのままになっている

ということで、ひとつのファイルを探すだけで丸一日かかるとか、手戻りがあるとか、逐一車輪の再発明をしたりとか、過去の経緯を記憶の彼方から引っ張り出してもらったりとか、そういうことをやらざるを得なかったのでした。


なんでそんなことになっていたのか

これは急激に変化した/成長した会社によくあることだと思うのですが、一般論として。


人事やバックオフィスの業務って、社員数が少なく、ビジネスもまだ大きくないうちは手作業でできちゃうんですよね。
システムを導入するよりはエクセルで管理したほうが、費用面でも工数面でもコストが低いです。
特にバックオフィスは「コスト部門」なので、システム導入にあたってはハードルがある場合も多いかと思います。
小さい会社だと一人で業務を担当していることも多いですし。


そうやって担当者の個人に紐づく形でやってきた業務が、社員数が一気に増えると全部崩壊しちゃいます。
少ない人数のうちは一人ひとりの顔と名前とそれぞれのステイタスが一致していたし、目視でデータを確認しても30-50人分くらいのものであればすぐに目を通せてミスもすぐに発見できたことでしょう。
ところが、人数が増えてくるとバックオフィスの人員を補充したり、システムを導入したりというのが始まります。


会社が急激に変化しているので、そこについていけない人や変化後の会社の状況に合わなかった人は辞めていったりします。
これまでのアナログなやり方では限界がきてしまい、方法を変えていかなければいけません。
そして、秘伝のたれをずーーーーっと温めていた人事担当者が辞めたとき、そしてたれの製造法が正しく伝授されなかったとき、カオスが起きます。


…という一般論なことがまさしく弊社でも起きていたんですね。
長年ずっと担当していた人事の人が退職し、それだけで済んでいたらよかったのですが、その後、短期間の間に担当者が次々と変わっていき、それぞれのやりかたで業務がスクラップビルドされ、短期間なのでそのスクラップビルドも不完全なままで次の人に引き継がれ、その引き継ぎもきちんとされていたわけではなく…。


ということが積み重なって、前述のカオスになっていたようでした。


やったことは、とにかく小さいことの積み重ね

ここまでカオスな状況だと、より成果を上げていくために頭を使うような業務に時間を割くことはできません。
なので、まずは少しでも今のルーティンワークにかかる時間を削減し、頭を使って仕事をする時間を確保するということを考えました。
なんせ、業務に圧迫されて息ができないような状況ですし、それでも新しいタスク(例えば、新しい採用や新しい入社者の対応)があるのでさらに息をするスペースがなくなっていきます。
根本的にフローを見直したり、フローの概念から考え直すことも必要なのだとは認識していましたが、そんな概念的なことを言ってられるような余裕がなかったので…。


具体的にやったこととしては、以下の感じ。

  • 同じチームの人にGoogleDriveの基本的な使い方、機能、概念をレクチャーする
    • ちなみに、PCのデスクトップ上に存在している状態のファイルとクラウド上にあるファイルとの違い(自分以外の人に共有できているかとか、会社PC以外でもファイルを編集するためにはどこに保存しなければいけないのかとかそういうこと)あたりから説明しました
    • 自分としては衝撃でしたが、世の中のバックオフィスの人ってこのくらいのITリテラシーなんだなということと、そりゃ、人事もプログラミングやろうぜ!で乗ってくる人少ない少ないなと思いました
    • その後はきちんと活用できているので、最初に丁寧に教える/使い方を知ることが肝心という学びにもなりました
  • 会議の議事録を残す
    • 最初はSlackにPostしていましたが、ドキュメントのシステムを導入したタイミングでシステムに移管しました
  • 手元のフォーマットを改善する
    • 入力を少なくするようにプルダウンにしたり、部署名などわりと変更があるものについてはマスターデータ化したりなど
  • 権限が大丈夫な範囲内で、社内システムの管理者権限をもらう
    • ワークフローなど、システムに載せることができそうなものは載せていく
  • ルーティンワークや作業について引き継いだ(あるいは説明を受けた)際には自分だけのメモにせず、マニュアルを作成する
    • 最初なGoogle Documentでやってたけど、いろいろ編集とかやりにくかったのでドキュメントのシステムを入れました
  • メーリングリストを整理できる範囲で整理する
    • あまりに膨大すぎて全部は無理だったけど、いらないメーリングリストを20個以上なくしました
  • ドキュメントのシステムを導入したタイミングで、手元のルーティンワークをマニュアルにし、業務を可視化(できる範囲で)
    • いろいろ検討してみた結果、今のところKibelaというやつを使ってみています
  • 元ファイルを見つけ出す
    • これが一番時間かかった…
  • 今すぐには改善できないことや実はあまり意味のなさそうな改善案については「これをやらない」あるいは「もっと後に先送りする」ということを決める
    • 何かをやるだけではなく、やらないことを決めるということもとても大事だと思いました

少しでも前進するための工夫と「沼」について

上記のことは一気にできたわけではなくて、半年くらい(かな?)をかけて徐々にやったことです。
当然のことですが、こういった業務改善だけが仕事というわけにはいきませんでした。なんせ、バックオフィスの人数が余っているような組織ではないので…。


日々のその他のタスクがある中で少しでも前進するために工夫していたことは、
①シリアスにしすぎないこと
②タスクの粒度を小さくすること
③進捗を可視化すること

でした。

シリアスにしすぎないこと

テキストにしてみて改めて思ったのですが、結構ひどい状況ですよね…。
それを「ひどい」「やってられない」「嫌だ」と表現することはできますし、事実として自分自身としてもそう思っていたのですが、ネガティブな言葉を遣いすぎたりすると他責になりがちなのと、より気がめいっていくばかりであまり良い方向に働かないなと思ったのでした。
なので、あのひどい状況のことを総称して「沼」と呼ぶことにして、それを少しずつ改善する/したことを「沼を退治する」とか「沼が浄化された」とか、思ったよりタスクが小さかった/大きかったことを「沼じゃなくて水たまりだった!」とか「水たまりかと思ったら底なし沼だった!」とか、そんな感じのちょっとふざけた言葉で表現していました。

小手先のことかもしれないですし、そういった表現をすること自体が根本解決になるわけではないのですが、なんとなく気持ちが軽くなり、ちょっと楽しげな雰囲気になったように思います。

タスクの粒度を小さくすること

「業務改善をする」といったような大きなテーマを設定した際にやりがちなのが、「そもそも業務改善とは」といったような大きな概念や目標を設定しにいったり、そのためのロードマップやマイルストーンをかっちりひいたり、そういった目標設定やロードマップに時間をかけて実際の改善に取り組むのは壮大な絵が描けてから…といったことかなと思います。

広く「業務改善」というプロジェクトことに取り組む場合、目標設定やロードマップも大事です。プロジェクトなので。

ただ今回の場合は「プロジェクト」という感じよりは「あまりにも苦しすぎて息ができず、このままでは酸欠で死んでしまうので、まずは今よりも息ができるような状況を作り出したい」ということがメインであって、大きな絵を描くのであればそれば息ができるようになってからと思っていました。

なので、大きな絵のタスクを設定するのではなく、大きなタスクは今すぐできるようなタスクにできるだけ小さくして、それを一つ一つなくしていくことを考えました。
こうすることによって、業務の合間のちょっと余裕ができた時間にすこしずつタスクに取り組めるようにもなりました。

進捗を可視化すること

実際に取り組んだことって一つ一つは些細なことなので、今取り組んでいる泥沼がどのくらい改善されたのか分からず、そして少しも前進していないように見えてしまって「この小さな改善に意味はあるのか」とかそういうことを感じてしまうんですよね。

なので、①上記で細分化したタスクはポストイットに書き出す ②それを沼ゾーンに貼る ③タスクをこなしたら、浄化されたゾーンに移動する ということをやっていました。
アナログのカンバンですね。
また、可視化することによって自分以外の人ともチームで改善に取り組むことができるようになりました。

タスクの振り返りについては特に期限を設定して見直しをしていた訳ではないのですが、3ヵ月に1回くらい見直していました。
自分の場合は、その他の業務量との兼ね合いでそのくらいのスパンが最適だったなと思います。

見直しをすると、「あら、意外と前進してるじゃない!」とリアルに見えて、なんだかうれしくなったりできました。

ということで、半年くらい運用したものがこちら。詳しいタスクの内容はお見せできないのですが…。
f:id:mameco0417:20170117131145j:plain


沼のタスクは似たような感じのテーマやらタスクをグルーピング化したりなどしてました。
少し大きめのテーマ的なタスクもあります。

前よりは息ができるようになったので、今後はもう少し粒度の大きなタスクも取り組めるようになりそうな気がしています。
(また、チームでタスクの洗い出しからやることになると思います。)

やってみてよかったこと

とにかく、気持ちがすっきりします。
また、自分は(人事という職種ではあるのですが)システムを触るとかそういう作業が好きなので、目の前の沼にムカつきながらも実はちょっと楽しくやっている部分もありました。

今回書いた事例は、わりと極端な例だとは思うのですが、バックオフィスとかルーティンワークの現場って、実はどこも似たりよったりな状況なのかなと思ったりするので、何か参考になることとかあればと思います。