【長文】未破裂脳動脈瘤の手術から約1年が経過した
未破裂脳動脈瘤が見つかり、脳の手術を受けてから約1年が経過した。
同じように検査で脳動脈瘤が見つかった方、これから治療を検討している方などの参考になったらなぁと思い、自分の体験を書きます。
なお、(当たり前のことではありますが)自分は医療の専門家ではなく、また、自分の経験したことしか知りません。
治療方針等に関しては医療機関や主治医に相談をしつつ、これから書くことはあくまで参考として取り扱ってください。
1.改めて、発覚〜手術までの経緯
ここにざっくり書いてありますが、詳細とどんなことがあったのかについて。
近況報告:病気発覚、入院、手術 - ジンジニアニッキ!
1-1.脳ドッグから大学病院にかかるまで
- 5月中旬〜末ごろ:自覚症状もなく、ノリで脳ドッグをうける
- 5月中か6月初旬だったと思う:脳ドッグを受けたクリニックから「検査に引っかかったので診察にくるように」という電話がかかってくる
- 「郵送で検査結果が届きますね〜」という感じで聞いていたので、この時は何が発見されたのかもわからず、なんかヤバそうな感じがあってめっちゃ不安になった
- 一連の過程のなかで、この電話〜検査結果が届くまでの期間が一番精神的に不安定だったと思う
- 6月初旬だったと思う:検査結果が郵送で届き、脳動脈瘤があることがわかる
- 届いて結果を見た時はびっくりしたけど、「ほえ?なるほど?」という感じだった
- 色々調べてみたところ以下のことが判明し、「自分の年齢等を考えるとサッサと手術を受けるとよいのではなかろうか」という結論に至る
- クリニックでの診察では大学病院の紹介状を書いてもらうことになるだろうということで、未破裂動脈瘤の血管内手術の事例が多い病院を検索し、「紹介してもらうならここにしよう」というのを決めておく
- 確か、↑くらいのことを夫にも伝えたような気がする(うろ覚え)
- 6月半ばごろ:脳ドッグを受けたクリニックで診察
- 想定通り、「詳しくは主治医の判断ではあるが、手術を受けることになるだろう(だいぶ要約)」という説明をされたので、事前に調べておいた大学病院へ紹介状をもらうことが可能かを聞く
- 第一希望の病院に紹介してもらうことができ、その場で初回の予約*4を取って終了
1-2.大学病院にかかる〜手術決定まで
- 6月中:大学病院で初診を受ける
- 検査結果を見つつ、病気のことについて説明→破裂の確率、破裂したらどうなるか、取れる措置(つまり、手術)はどういうものか、などなどだったと思う
- 自分としては、手術する気まんまんだったので、もう手術日程を決めるのかと思っていたので、拍子抜け
- 実際に手術の判断をするには造影剤を使った精密検査をする必要があり、それには検査入院があるとのことで、検査入院の日程決めと入院に関する諸々の手続きをしてこの日は終了
- 7月末ごろ:精密検査で1日入院をする
- 造影剤を使いながら、脳動脈瘤のより精密な大きさや位置を特定する
- 自分はこれまで経験したことなかったが、どうやら造影剤が合わない体質だったらしく、検査後数時間経過してから二日酔いのような気持ち悪さでぐったりしてしまった
- 入院慣れしていなくて知らなかったが、こういう時は看護師さんに言えば、造影剤を排出しやすくするために水分点滴などをしてくれたらしい→「うわー、二日酔いと一緒だー。造影剤に酔ったのか〜」と思って、水とお茶をがぶ飲みして寝ていた
- 次の日にはすっかり元気に
- 病院食がめちゃくちゃ美味しくて、最高だった
- たしか、8月頃:治療方針と手術日程を決める→10月頭に手術することに決める
- 重要な話なので配偶者も同席するようにと言われる
- 先日の精密検査の結果を踏まえ、手術をするとよさそうなこと、血管内の手術がよさそうという説明を受ける
- コイル+ステントの組み合わせ or フローダイバーターのどちらかがよさそうで、医者の説明を聞いてもメリデメ・リスクに大差がなさそうに思え、最後は決めの問題だからどうするかなーと思い、コイル+ステントの組み合わせで施術してもらうことに決める
- 後から聞いたことだが、そもそも手術をするかどうかにしても、手術の手法をどうするかにしても、何回も通って説明を受けてから決めることが多いらしい
- 8月末〜9月頭:コロナに罹患する
- 9月のどこか:手術前の最後の診察をうける→11月に手術が延期へ
- 入院手続きとか、入院前に飲まないといけない薬を処方してもらったりなどのために診察に行く
- ここで、コロナに罹患してから間もないため、病院の規定のため入院・手術ができないことが発覚
- 「悲報〜〜〜〜」と笑いながら悲しんでいたら主治医に爆笑されつつ、11月に手術をすることに決める
1-3.手術直前〜退院まで
- 手術の約2週間前:血液をサラサラにする薬を飲み始める
- 後述しますが、このお薬は術後もずっと飲み続けることになります
- 11月頭:前日
- 前日より入院
- 前日の入院手続き前に血液検査をして、ちゃんと血液がサラサラになっているかどうかを確認される→ここでOKだったので、最終的に手術がGOされることになる
- 病院食、相変わらず美味しい
- 夕食後から絶食、夜は経口補水液をできるだけたくさん飲むようにいわれる→手術当日はめっちゃお腹空いていた
- 手術当日
- 手術翌日
- 予後大丈夫そうとのことで、翌日にはICUから病棟へ移動
- とは言え、ベッドから動いてはいけないとのことで、ベッドの上で時間を潰したりなどしていた
- 手術翌々日
- 尿管がとれてうれしい
- 体を拭いてもよいとのことで、蒸しタオルをいただいて体をキレイにする
- ドライシャンプーを持ち込んでいたので、軽く髪の毛もキレイにして、結構スッキリした
- それ以降
- シャワー浴びれるようになった→サイコー
- 病棟内を動き回っても良くなった→サイコー
- 相変わらず病院食が美味しいので、毎食楽しみ→サイコー
- 術後の経過良さそうですね、とのことで退院が決まり、退院→ヨッシャー
カレンダーをみたところ、トータル5泊6日の入院生活でした。
1-4.退院〜術後1年
- 1ヶ月、3ヶ月、半年、1年…という感じで定期的に通院して検査して、術後に問題がないかを確認(それ以外にも、お薬もらうために診察は受けている)
- 手術前から飲み始めた血液サラサラの薬はずっと飲み続けている
- 元々2種類飲んでいたが、1年のタイミングで1種類に減った
2. 術後に困ったことなど(※婦人科的な話も含みます)
2-1.退院後の激しい頭痛
- 今まで経験したことがない頭痛を感じ、退院時にいただいていた鎮痛剤を飲みつつも、恐怖や不安があったので診察を受ける
- 結論としては、「退院後の運動が激しかったからでしょう」とのこと
【学び】軽い運動とは、重い荷物を持たずに近所を10分弱散歩する程度の運動のことである。決して自転車で走り回ったり、スーパーでまとめ買いをしたりしてはいけない。
2-2.激しい生理痛
- これまでも生理の時に鎮痛剤のお世話になることはたまにあったものの、そこまでの生理痛ではなかった
- (バイオリズムのタイミング的に)退院後わりとすぐに生理がやってきて、その生理痛がやばすぎた
- あまりに辛すぎるし、これが続いたら日常生活やっていけないと思い、婦人科に駆け込む
- 1日2回も定期的に薬を飲まなければならない、ということで、そういうこまめな管理が苦手な私はそれなりに大変なものの、症状自体は非常に良くなって最高である
【学び】激しい生理痛は婦人科へ。もし、以前より生理痛が重いようであれば、事前に婦人科にかかっておくのも良いと思われる。
2-3.体力が戻らない、疲れると頭痛がする
- 体力の充電がMAXでも8割くらいまでにしかいかない状況が続く
- とはいえ、元の体力がまあまあある方なので、それでも日常生活には全く支障なし…と思っていた
- 退院からあまり時間を空けずして、業務上でまあまあにプレッシャーがあるプロジェクトが開始する
- これまではそれなりに疲れていても、業務→学校の授業→業務に戻る→学校のレポート書く、みたいな生活で全く平気だったところから、業務が終わると戻ってきたりすることができないくらいになる
- 疲れとストレスが溜まると頭痛がするようになり*5、プロジェクトの最繁忙期は頭痛薬が手放せない生活となる
- 結論としては、「働きすぎ」とのこと
- いくら予後が悪くないとはいえ、全身麻酔で脳の手術を受けている身ではあるので、職場復帰はゆっくりするのが基本とのこと
- 一般的には、術後の身体でストレスフルな業務を担当すること自体が難しく、普通は頭痛で終わらないレベルで身体を壊してしまうそうなのだが、元来スタミナある方ということもあり、なんとかできちゃったという状況だったようだ
- 「社会復帰できなくなる可能性もあった」とのことで主治医にめちゃくちゃ怒られた
- 今はストレスから逃れたので、全然頭痛しなくなりました
【学び】術後の職場復帰は慎重に。周囲の人/人事/上司は大病後の人のことはケアしてあげてね。
2-4. 出血が止まりにくい
- 血液サラサラの薬をのんでいる影響で、出血が止まりにくい
- なので、交通事故等の大怪我をすると出血多量となる可能性があることから、服薬カードを持っている
- おそらく一般的な方はあまりないのではと思うが、いかんせん、そそっかしい&鈍臭いため、ちょっとしたことで困っている
- 紙で手を切ってしまい、服薬前だったらうっすら血が滲んで終わりなところがポタポタ止まらなくてビビる
- ムダ毛処理等で剃刀を使う際、いつもならうっすら血が出て終わるやつが風呂上がりでも出血が止まらず、それに気づいていなくて床に血痕を撒き散らしてしまったり
- 生理が重くなったのは前述の通りだが、ジエノゲストの効果を感じるのも時間がかかった(無限に軽い生理、みたいな時期が一般平均よりも長く続いた)
- 全然気づいてないところでアザができていて、「あ、これは日常生活でぶつけたんだな」となる
【学び】そそっかしいのはどうしようもないので、大怪我だけはしないように気をつけようね。
3.メンタル面・心持ち・準備
3-1. いくら自覚症状がなかったとしても、気持ちは落ち着かない。
元の性格がだいぶ大雑把、自分でコントロールできないことに時間を割くのが嫌、何も決まってないことの方が嫌なので判断材料が集まればサッサと決めて次に進む、という自分でも、発覚〜退院後まではなんだかソワソワしていました。
気軽に破裂するものではないとはいえ、感染症のリスクをできるだけ回避して人数が集まる場への参加を選択したり*6、何度も情報収集をしたり主治医から情報を得たりしたけど、同じことを調べ直したり。
主治医からも「ここまで意思決定が早く、告知後も落ち着いていられる人はほとんどいない」を言われるくらいには落ち着いて対応していたと思うが、それでも内心はそんなもんです。
なので、そういうものだと思って乗り切るしかないし、周囲の人(特にご家族など)はそういう落ち着かなさを受け入れてあげるしかないのかなと思います。
3-2. できることをやろう。つまり、体力なのでは!?
未破裂動脈瘤の治療は基本的に手術しかなくて、それはつまり、お医者さんの手によって措置されるしかないわけなので、自分で何かできることはありません。*7
とはいえ、3-1の通り落ち着かないし、何かできることはないかなぁと思いついたのが「体力」でした。
体力があれば、手術の身体的な負担も乗り越えやすいし、術後の日常生活復帰にも良いのではなかろうかと思ったのでした。
有酸素運動については、ジムのエクササイズのようなものは特に問題ないとのことだったので、有酸素系のジムに通ってひたすら体力と筋力をつけていました。
結果的に、(性別と年齢に比して)まあまあに体力がある感じに仕上がって手術当日を迎え、各種色々がスムーズに回復できたと思います。
※体力をつけるには別にジムに通う必要はなく、ウォーキングや軽いストレッチを継続的に行うということをお医者さんとしては推奨しているそうです。無理せず、自分に合った方法を見つけてください。
「脳」の病気という大病を経験することは人生でもあまり多い機会ではないと思います。
同じ病気が発覚した人や、周囲やご家族の方で同じ状況の方がいらしたら、何かしら参考になることがありましたら幸いです。
*1:参考:https://sk-kumamoto.jp/theme/miharetsu/faq/
*2:参考:https://www.yokohama-shintoshi.jp/brain/miharetsu.html
*3:さきほどの注2のリンク参考
*4:たまたまだが、その病院は初診については医療機関経由でないと予約が取れないという仕組みだったため
*5:これまで、まあまあの繁忙期でも頭痛することはなく、お腹が空いたり疲れて眠くなったりすることばかりだった。
*6:結局コロナに罹患したけどw
*7:もちろん、破裂しないように日常生活に気を配ることはできますし、そのやり方はお医者さんから教えてもらえます。