非エンジニアが会社のデータ基盤整備をする話
現職に入社してから、データ基盤の整備を担当するチームであれこれやっている。
今回、諸々が一区切りするので、振り返りとまとめのために書いてみる。
自分のバックグラウンド
- 人材紹介会社→人事→あれこれやる人 というキャリア
- 職種としては事務職とかバックオフィスとか、そういう括りになると思う
- 大学も文系出身だし、コンピューターサイエンスの知識が特にあるわけではない
入社してからは
- (これから書く)データ基盤をなんとかする業
- 諸々のオペレーションなんとかする業
- チームマネジメント
- 法務と情シスも途中から兼務
- その他、間に落ちるいろんなことの諸々全て
などをやっている。
全段あれこれ
ここでいう、データ基盤
会社のビジネス活動に関するデータのことを主に指している。
いわゆる、「ビジネスファネル」と言われるもの(マーケティング〜営業活動による受注〜その後のフォロー)の一連の流れ部分、それから売上や請求に関する部分(管理会計含む)の数字を可視化するための仕組み・システム、これらの仕組み・システムの維持に必要なオペレーションまでを指す。
データ基盤前夜
入社した頃&入社後しばらくの状況は、「過去の負債の塊」という感じ。
セールスフォースは導入されていたものの、活用が進んでおらず、運用ルール等も特になかった。
そこに、人間が自由気ままにいろんなデータを詰め込んで、全く身動きが取れなくなっていた。
このての話はセールスフォースに限らず、システムを導入しているとよくある話のようにも思う。
システムに限らず、仕組みや運用があれこれ追いついていかないのは、急成長した会社ではよくある話だと思う。
(技術的負債の話と同じ感じ)
これをなんとかするのが仕事だったので、なんとかしたという感じです。
今どんな状況か
データや運用の設計がなされ、数字もほぼリアルタイムに算出できるようになりました。
前夜から上記状態までは、約1.5ヶ年。
本格的にデータ基盤整備に着手してからは1年くらいです。
やったことの要約
- 新しいセールスフォースへの移行
- あまりにいろんな課題が積み重なっていたので、新しい箱を再設計してデータごとお引っ越しをしました
- 約3ヶ月で設計・リリース・データ移行を完了
- ユーザー向けの機能追加や細かい修正
- 要望を吸い上げながら優先順位をつけつつ対応
- データ構造変更をもう一度
- データの正規化によって、当時はあくできていなかった要件が発覚したので、データの一部を設計し直した
- 怒涛のデータクレンジング
- 設計したデータ構造にデータ形式を合わせて入れ直した
これらは自分一人でやったことではなくて、チームメンバーが優秀で色々とやってくれたのでなんとかなった。
メンバー、本当にすごい。
非エンジニアだからできること
非エンジニアとしての強みは、「データの使われ方を具体的にイメージできること」ということに尽きるように思う。
単に使われる場面をイメージできるだけではなくて、例えばデータが出力されたシートを見たときに、その人がどういう目線の動きでそのデータを眺めて、それを脳内でどのように解釈していくのか、その解釈の後にどのようなオペレーションが発生するのか、というところまで想像や推察ができるということを指す。
営業として数字を追いかけたりマネージャーに数字の読み方を教えられた経験、来期の事業計画を作成するときに売上を分析して予算を作っていくようなことをやっていたり会議の場に参加していた経験、データを元に実際に請求の取りまとめや請求書類の発行作業をやった経験…みたいなことが役に立っているように思う。
データ設計の技術的・システム運用的な部分はエンジニアに任せるしかない。
だけど、「この作業によって、こういうデータを出すことができるようになる」「このデータを使うということは、こういう意思決定ができるようになるということである」ということを自信を持って説明ができるのは、エンジニア経験はないものの、他の職種を色々と体験してきたことがあるからかなぁと思っている。
データクレンジングや細かい設計・改善は泥臭くて、作業のその先にある目的を見失いがちなので、そういったことを伝えられたのはプロジェクトマネジメントの観点でも良かったように思う。
いろんな職種や業務を経験してきたことが、まさかこういうところで生きるとは思ってなかったなぁ…。
ということで、インターネットに書ける内容で備忘録的に書き起こしておいたものでした。