ぼくがかんがえたさいきょうのリュックサック を手に入れた
新しいカバンを買ったのだけど、あまりに嬉しすぎて書いてます。
経緯
ジム通いを始めたところ、PCとジム用品を入れるとカバンの中が整理されにくいなぁ…なんか良さそうなカバンないかなぁと思っていた。
とはいえ、これまで使っていたものも気に入らないほどではなくて、普通に使っていた。
ちなみに、使っていたのはポーターのこれである。
https://amzn.to/2s99e0T
求める条件
特にむちゃくちゃ困っているとまではいかない感じだったので、条件は結構厳しい。
- PC入れるので、背中がかっちりしてないとダメ
- PCゾーンとその他ゾーンに分かれていてほしい
- PCとジム用品(ジムウェア、シューズ、洗面道具)が入る大きさが良いが大きすぎるのは嫌
- 自分は、女性の中では比較的身長があってガタイも良いほうなのだけど、やっぱり大きすぎるのはちょっと持ちにくい
- 全体的にスッキリ、シンプルなデザインが良い
- ロゴやブランド名が大々的に入っているのは嫌
- 色は黒・紺・グレーといったダークカラー
- 値段はあまりに高すぎるのは嫌
- あまりに良さそうなものが見つからなくて、「やっぱり5万円くらい出さないと理想のものは手に入らないのではないか…」など思ったりしたこともあった
- 実際は2万円ちょいで購入できたので、とても良かった
- ネットで直接買うともうちょっとお安いと思う(2万円をちょっときるくらいかな)
- 防水になっていると嬉しい
- 雨の日にPCカバンに入れていることもあるし
- 定期入れやスマホなど細々したものが入りところがほしいし、出し入れしやすい感じになっていてほしい
- 小物収納が分かれていると嬉しい
- 女性は細々した持ち物が多いのじゃ!
- 軽いこと
- いくらデザインが良くても、重いカバンを持って毎日通勤するのはしんどい
見つけたもの
これです!
www.aersf.com
マスターピースというカバン屋さんで教えてもらったブランドのもの。
詳細が合っているか確認作業はしていないのだが、確か、サンフランシスコでデザインされたもので、シリコンバレー的というか、そういうライフスタイルの人に合わせた、シンプルで機能的なものを作っているそうだ。
お店で「ジムのものとPCと両方入るやつを探している」と言って最初に紹介されたのはこれ。
www.aersf.com
これはまさに、ジムと仕事の両方で使える用のためにデザインされたもので、靴を入れるエリアがあったりなどして非常に機能的である。
のではあるが、なんかちょっと亀っぽくてう〜ん…となったのでした。
ブランドのコンセプトが気に入って家に帰ってから調べてみたところ、購入したモデルを発見。
サイズ感やちゃんと荷物が入りそうかを確認したくて現物を同じお店に見に行ったところ、比較的最近発売された人気モデルということで、実物がなく…。
お店で買うよりネットで直接買ったほうが安いし、いやでもサイズが気になるし、うーん…と思っていたのだけど、お店の店員さんの対応が非常に丁寧だったし、お取り寄せしてくれるということだったし、じゃあこのお店で買おう!とのことで予約して購入しました。
マスターピース表参道店の店員さん、カバンのことにとても詳しいし、丁寧だけど丁寧すぎない感じの接客だし、とても親切でした。
カバンをお探しの方は是非一度、マスターピース表参道店へ!(別に関係者でもないけど、素敵だったお店は自主的に宣伝していく)
STORE | master-piece マスターピース
中身とか比較とか
持っているポーターのものと比較。
全体的な大きさはさほど変わらないけど、マチが小さい分、ちょっとシュッとした感じの印象。
タテはaerのほうがちょっとだけ大きいかな。
仕切りの中身。
細々したものが整理できるようになっている。
背中側がPC入れる用、前側が小物入れる用。
PC側は少しマチがあって、シューズやウエアを入れるにはちょうどくらいの大きさ。ドリンクホルダーもある。
前側にちょっと荷物入れてみたけど、意外とマチというか余裕があって、小さいポーチもぽんぽん入る。
地味に嬉しいのが、鍵用のストラップが付いていること。
というのも、毎日、鍵入れた場所忘れて「えーっと…え、ない!あー、あった…」となっているのでした。(酔ってないよ)
便利なのがこの小さいポケットで、定期とか社員証を入れる予定。
ファスナーはYKKの防水仕様のもの、表面のナイロンももちろん防水仕様。
ナイロンなのかメッシュ部分なのか忘れたけど、防弾チョッキにも使われる素材を使っているそうで、耐久性が良さそうな気配です。
その他
aerのサイトを見ていたら、トラベルシリーズとかもあるし、リュック以外にもショルダーバッグなんかもあった。
全般的に機能的でいい感じぽい。
トラベルシリーズは出張の多い人に便利そう。
全体的にお値段がそこまで高くなく、機能的だし、良いなーと思って見てます。
www.aersf.com
amazonにも売っているようだ。
https://amzn.to/2GLOPEC
ということで、あまりに嬉しくて、勢いだけで書いた記事でした。
おしまい!
自分自身やチームのことを大袈裟なくらい褒めまくる、ということをやってみている
ブログをhttpsにしたので、記事も書いてみる。
最近、とにかく自分や自分たちのことを褒めまくる、ということをやってみていて、その話です。
(タイトルのままだった)
用例やシチュエーション
そこまで大したことじゃない、普段のちょっとした場面で口に出して(インターネット上じゃなくて)褒めまくるのがポイントだと思ってます。
何かを成し遂げた時にお互いを褒め称えるのは普通のことなので。
例えば…
- ミーティングのアジェンダが予定したよりも早く消化できた時
- 日程調整がスムーズにできた時
- オンスケで進んでいることが判明した時
- オンスケで「リリースできた時」ではないことがポイント
- 決定しなければいけない事項を決定することができた時
などなどです。
褒め方も「すごい」とかそういう感じよりももっと激しい感じで
- マジで天才!
- はぁぁ、もう、最高!
- ○○ができるなんてすごい!すごすぎる!
- ○○の魔術師!
- むっちゃバリュー出しまくってる!
な感じの表現にしています。
なんでそんなことやってるのか
自分が今(も昔もだけど)担当している仕事は、一つ一つのタスクは結構地味で、そういうタスクの積み重ねが結果に繋がったりするものだったりで、大きな達成感を感じる場面が少なかったりします。
また、トラブルシューティングや人間に関する領域を担当していることもあり、仕事の中で調整が多かったりもします。自分自身が決断して仕事を進めることも多く、裁量とやりがいを感じる一方で、決めるということそれ自体はプレッシャーがあったりします。
ということで、何か自分自身やチームを奮い立たせる要素が欲しいなと思ったのでした。
(あまり深く考察している訳ではない)
なんで褒めまくる、っていうやり方にしたのか
言霊を信じているから
言霊ってあると思ってまして、口に出す言葉は力と影響があると信じている派です。
実際、ちょっと疲れていたり頑張りたい場面でひたすらポジティブな言葉を発すると、なんかちょっと元気になるなって思います。
(あまり深く考察している訳ではない)
Drag Queenの影響
Netflixで配信している「ル・ポールのドラァグレース」という番組が大好きで、何回も何回も観ています。
この番組はドラァッグクイーンのNo.1を決めるオーディション形式の番組で、この記事を書いている時点でSeason 10がアメリカで放送中です。
www.netflix.com
オーディション形式ということもあって、参加者は強いプレッシャーとストレスの中にいて、番組から出させる課題に失敗したり辛口審査員からのコメントを受けて落ち込んだり自信を無くしたりという場面がよくあります。
そういう時、あるいは番組を通じて至る場面で彼女たちから発せられるのは
- I am talented.(私には才能がある)
- I am fabulous.(私はマジで最高)
- I am a star.(私はスターなの)
- I am beautiful.(私は美しい)
- I am special.(私は特別な存在)
という感じのことです。
ホストであるル・ポールが番組参加者に対してそのような言葉をかけることもあります。(You are~という感じで)
そうやって自分自身を奮い立たせ、困難なチャレンジに挑み、自分力を出し切ってオーディションを戦います。
あまりに好きすぎてNetflixで配信されている(配信されていた)各シーズンを5-6回ずつくらい観てるのですが、そうやってクイーンたちが戦う姿を観ていて、なんかいいなって思ったのでした。
こうやって直接的な言葉で自分(あるいは自分たち)を褒めるのは文化的にアメリカっぽい感じもするし、日本だとここまでのことを頻繁に言いまくるのは一般的ではない感じも受けるけど、いっそのこと大袈裟なくらいの言葉で言ってみたら嫌味もなくなるのではないかと思ったりしたのでした。
(あまり深く考察している訳ではない)
やってみてどうなの
場面にもよりますが、良い言葉を発していると自分自身も元気になるし、周囲の人も元気になる気がしてます。
やってみて思ったけど、褒める表現のボキャブラリーが貧困すぎるので、もっと良さげな表現を学びたい。
(あまり深く考察している訳ではない)
はぁぁ、ちゃんとブログ書いてえらい!私、マジで天才なのではないか!
ということで、おしまい!
2017年と2018年の話
年始なので書いてみる。
2017年
プライベートも仕事も、本当に色々あった年だった。
去年の年始に「本厄だから云々」というのを書いていたのだけど*1、特に前半は仕事もプライベートも何もかも上手くいかないし体調崩すしなどあり、なかなかに苦しい感じだった。
厄年ってすごいな。
後半になってからは、前半に色々と苦しんだことが(幸いなことに)吹っ切れたり上手く行ったりなどして、楽しく過ごすことができた感じでした。
後厄も気をつけよう。
昨年関わってくださった皆様、改めてありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。
転職した
2年連続で転職したぞ!
前職では色々あり、良いことや楽しかったこと・良い仲間との出会いもたくさんあったけど、全てを端折りまくって結果だけ要約すると「転職に大失敗した」ということだったと思っています。
長年採用とか転職とかに関わってきてるけど、仕事や会社選びって本当に難しいなと思いました。
自分のこと、自分が一番よくわからない。
ただ、最終的には良い経験になったと思うし、良い経験にしていこうと考えています。
その時に考えたことや感じたことをブログにしたら謎にバズってしまい、昨年一番のビックリ出来事でした。
エントリが入社前だったことから「これ、絶対ナカノヒトに知られてしまってる…どうしよ…」ってビクビクしながら入社日を迎えました。
(がっつり知られていました!w)
最近も、ちょくちょく読んでくださっているようで、こんな拙い感じの文章なのに非常にありがたい。
筋トレ始めた
体調管理とストレス解消の為にジムに入会しました。
これまでマシントレーニングをほぼやったことなかったのだけど、見事にハマりました。
筋トレ、楽しい。
去年やってよかったこと
転職した
ご迷惑おかけした面もあったし、本当に色々あったけど、あのタイミングで我慢しすぎずに転職したことは、自分の人生の中でいくつかに入るくらい良い決断だったと思っている。*2
これまで仕事頑張ってきてよかったと思ったし、仕事や仕事以外で関わってくださった人との縁も非常にありがたかった。
いつも色々ありがとうございます。
身の回りを幸せなもので囲まれるようにした
特に昨年前半は、色々ありすぎて精神的に辛い感じがありました。
そこで、とにかくネガティブなことから距離を置くようにしたのでした。
SNSのTLに流れる情報をまずは見直しました。
例えばtwitterは、初期の頃に「この人有名っぽいから」みたいな感じでtwitter有名人(?)をフォローしまくっていたのですが、その結果、ヘイトスピーチや過度に政治的なことがTLに流れるようになっていました。
そういう人のフォローを外しまくり、適宜ミュートするようにしたりなどしていました。
Instagramは、美しいもの・気に入っているものだけが流れるようにして、あえて知り合いは(基本的に)フォローしないようにしました。自分はファッションが好きなので、好きなブランドやショップ、モデル、ドラァッグクイーンをメインにフォローしています。
Facebookは仕事でも利用することがあるので「友達から削除」をするのがなんかアレだったりすることもあるので、自分にとって好ましくないと感じる投稿がTLに流れないようにし、自分のポストの公開範囲も見直すなどしました。
とにかくこれがすごく良くて、目に見えるところに不穏なものが見えないだけで、ものすごく気持ちが楽になりました。
メンタルが平常の時はネガティブなものも適当に流すことができているのだけど、精神的に辛い時はそういうことができないのだなという気付きにもなりました。
平和なSNSと、(物理的な)身の回りもできるだけ美しいもの・好きなもの・楽しいものに囲まれるようにするの、オススメです。
2018年
とにかく、健康に気をつけていきたい。
筋肉はもっとつけよう。
仕事は、もっとちゃんと結果を出したいですね。
プライベートも頑張っていこうと思います。
今年もよろしくお願いします。
吉祥寺.pmでキャリアの話をしてきた #kichijojipm
先週開催された吉祥寺.pm #12でキャリアについての話を発表してきました。
土日に台風の様子をみつつぼーっとしている間にブクマされてた。
ブコメが優しくてありがたい。
要約すると、いわゆるH型人材と言われている様な感じことに関することです。
が、自分の中では「H型人材」という表現が足りない感じがあり、その表現は使いませんでした。
もう少し分子結合の様な感じで、よりたくさんの人と繋がることができ、繋がる相手によって自在に自分自身を変化させていくことができるような、そんな感じをイメージしています。
エンジニアの勉強会で技術とは全然違う話なのですごいドキドキしてたけど、聞いてくださった方々も好意的に受け取ってくださったようでよかった。
お誘いいただいたmagnolia_k_ さん、ありがとうございました。
これまでとは違ったキャリア形成が求められてきつつある世の中だと思っているのですが、実際の採用や育成の現場では従来通りの「T型」と言われる、いわゆる「スペシャリスト」的な観点になっているのが現実だと思う。
資料にも書いたけど、自分自身も転職活動で「専門性とか強みがないですよね」っていうフィードバックを受けることも多かったし、制度設計も「マネジメントコース」「スペシャリストコース」の二つが用意されている会社で(マネジメント以外のキャリアと出世の道が用意されているという点において)比較的先進的と言えるという感じだと思う。
人事という立場ではなくなったものの、組織マネジメント等の広い意味での人事を担当する仕事ではあるので、そのあたりのがいい感じで会社の仕組みになるといいなと思うし、そういう方法を考えていきたいなと思っています。
その他
久しぶりに勉強会に参加したのですが、やはり他の人から刺激を受けることが多かった。
2年目の方がチームリーダーとしての動きについてLTで発表されていて、「自分もしっかりしなきゃな…」とかとか。
あと、懇親会で話していたのですが、中堅になってからの女性(に限らずだとは思うけど)のキャリアって難しいなと思っており。
年齢でいうと、30過ぎたくらいからかな。
自分もそういう年齢でそういう立場になっているので、戸惑うこととか、自分が変化していかなければいけないという必要性を感じることが多い。
ペーペーではなくなり、中間マネジメントの一端を担うようになり…というようなこと。
なんかそういう話とか相談とかできる場所(なのか何なのか)があるといいなー、とぼんやりと思った。
とにかく何が言いたいかというと、きちぴー最高!!
25歳の誕生日に辛かった自分へ
先日は上司の誕生日だったのだが、娘さんからお手紙をもらってすごい喜んでいる様子がTwitterから伺えてほっこり…と思ったら、なぜか唐突に、自分の一番辛かった誕生日のことを思い出してしまった。そして、それを引きずってテンションが下がっている…。
今回の特別お題が「『選択』と『年齢』」ということで、それに合致してそうなので書いてみようかなって思って書いてます。
書いてみたらポエムになったけど、まあ、そういうお題だし、仕方ない。ブログに書くことで昇華していくぞ!
15歳の私
15歳の時に、法曹界へ行くことに決めた。
当時私の通っていた中学校は実験的な教育を試験的に行う学校で、「総合学習」なるカリキュラムがだいたい3割以上あるような学校だった。
その一環で「ディベート甲子園」という大会に出場することになったのだけど、その時のテーマが「死刑廃止論」だった。
総合学習の時間を使って「死刑廃止論の是非」について書籍を調べたり、フィールドワークにたくさん行った。
地域の弁護士会へアポをとったり、大学の教授に突撃したり、アムネスティーの人に会って話を聞いたりした。
弁護士会へのアポでは会長がわざわざ出てきてくれて、死刑に限らず様々なことを教えてくれた。
大学の教授はとても優しくて、中学生でもわかる言葉で法律について説明してくれた。
日本の死刑論については団藤重光先生の「死刑廃止論」という本が有名なのだが、図書館でこの本を借りてきて、隅々まで読んだ。
書いてあることのほとんどは意味がわからなかったが、「難しい専門書を読んでいる」ということが楽しかった。
「行ってみるといいよ」と言われて行ってみた裁判の傍聴会では、裁判官が「台に上がっていいよ」と裁判官席に座らせてくれた。
すごく眺めがよかったし、この場所で仕事をしている人たちがキラキラして見えた。
その年には「HERO」という大ヒットドラマが放映された。
木村拓哉扮する久利生検事がとにかくかっこよくて、検察官になると決めた。
こうやって色々書いてみるとものすごく安直なのだけど、仕方がない。
なんせ、中学生だったのだ。
25歳までの私
そんないろんなことに夢見ていた10年後の25歳の誕生日、私は法曹界に行くことを諦めて、何もかもうまく行かなくてすっかり落ち込むことになる。
大学選びも「法学部に絶対に行く」と決めて、「他の学部なら合格確率も高くなるから変えてみてはどうか」と進路指導や予備校の先生に勧められても頑なに変えなかったのに。
当時は法科大学院(ロースクール)設立のタイミングあたりで、法学部の人気が高く、偏差値も他の文系学部よりも高かったのです。
どうしても法学部がよくて、法学部以外じゃダメで、浪人までした。
法律を勉強してみて、これが結構楽しかった。
特に楽しかったのは会社法で、会社としてお金を稼ぐビジネスの面を仕組みとしての法律が統治規定しているという構造が面白かった。
会社法の授業を受けていた頃はライブドア事件(いわゆる、ホリエモン事件)が世間を騒がせたことがまだ記憶に新しいくらいの頃で、会社法に規定されている内容をうまいこと活用して会社経営を行っていた実例がすぐそこに会って、それもとても面白かった。
こうやって勉強したりしているうちに、私は「法曹界へ進んで検察官になる」ということよりも、ビジネスそのものに興味を持つことになる。
法律の勉強は、それはそれで楽しかったけれど、非常に困難なロースクールの受験を突破し、その後も必死に勉強し、さらに難関の司法試験を受けるのかと思うと、そのことに対して時間をかけたいと思うほどの情熱はもうなかった。
就職して、自分の手で早くお金を稼げるようになりたかった。
もはや惰性でなんとなく勉強を続けていたのだけど、なかなか「ロースクールには行かない。就職する。」ということ決断することができなかった。
なんせ、10年も法曹界に行きたいと心に決めていたのである。
それ以外の選択を自分がするということが全くイメージできなかった。
諦めるという選択肢は自分にはなかったけど、だからと言ってその他にやりたい仕事もなりたい姿も、何もなかった。
典型的なモラトリアム学生として、自分のキャリアを全く考えられていなかった。
「法曹界に夢見る自分」を捨てることができなかったのだ。
25歳の誕生日
紆余曲折あって、ロースクールには進学せず、そのまま留年することになった。
浪人もしているし、ロースクール受験のために留年(休学含む)もしている。
そのことを決めたのは3月も半ばになってからで、当時の就活スケジュールではエントリーシートの受付を締め切っている企業もたくさんあった。
「選考はしません」と言いつつも4月1日になると一斉に内々定が出される。
3月になってから就活を始めた自分には、全く縁のない話だった。
4月の誕生日、25歳になった日、私は何者でもなかった。
なりたかったはずの法曹界には進むことも諦めていて、今とは違って超買い手市場だった就活においては、浪人して留年もしている自分が内定をもらえるとは(その時は)思っていなかった。
誕生日の日、就職活動からのアルバイトから家に帰ってきた私は、そのまま自分の部屋に閉じこもることになる。
紆余曲折あったこともあって、親ともギクシャクしていたのだ。
部屋に入ると、机の上にケーキと手紙と、プレゼントが置いてあった。
手紙には「何か節目のタイミングで渡そうと思っていたけれど、進学もしなかったし、就職もいつできるかわからないので、25歳という誕生日が節目なので渡します。」というような内容が書かれていた。
その後には、私のことを応援していること、就職活動で自分の納得する結果を得られることを願っているというようなことが書かれていた。
あまりにも自分のことが情けなくて、ケーキを食べながら、手紙を読んで泣いた。
法曹界に行きたいとあれだけ思っていたのにそれを初志貫徹することができず、就職したいと言い出したのは自分だったのに就職活動もうまく行っておらず、自分が言い出したことを何も守れずに親に迷惑ばかりかけている、そんな25歳だった。
周囲の同い年の友達はもう就職して立派に働いているというのに。四捨五入したら30歳になるというのに。
そんな感じの感情ばかりが溢れてきて、どうしようもなかった。
散々泣いたらなんとなく吹っ切れて、「なんか包み隠さずに正直にいよう」と思ってそこからいくつか面接を受けた。
「就職氷河期じゃなかったっけ?」って思うくらい、いくつも内定がもらえた。
「どんな仕事がしたいですか?」っていう質問に対して「自分は何もできないし、自分に選択権はないんで、できることは何でもやります。会社だし、仕事なんで。」的なことを言う、何というかあまり可愛げのない就活生だったと思う。
そんな私のことを「面白い」と言ってくれる会社がいくつもあったことが不思議だった。
いくつかの企業を検討した結果、面接に出てきた社長が嘘をつかなそうな人だった、「はたらくを楽しもう」の会社に入社することにした。
32歳の今
32歳になった今年の誕生日、私はニートだった。
色々あって前の会社を辞め、この年齢で無職のまま、人生3回目の転職活動中だった。
アラサーだし、ニートだし、独身だし、住宅ローンの返済はあるし、25歳の誕生日よりも詰んでる感じがあるけど、「どうにかなるから大丈夫」の気持ちでいた。
「自分に選択権はないんで」と言って入社した1社目では、たまたまIT業界向けの部署に配属された。
そこで出会ったIT業界とオープンソースの考え方に魅了されて、どっぷりとそっちの世界にハマっていくことになった。
ITというかWebというか、そういう業界に染まっていて、エンジニアコミュニティの運営スタッフをやったり、ジンジニアって名乗ったり、何回か転職したりした。
今回の転職活動も順風満帆とは言えなかったけど、「自分が働きたいと思える会社がなければ独立してフリーランスでも食べて行くことができる」という思いがあったから、自分のキャラクターをつくったり、自分の考えや好きなことを譲る気は全くなかった。
(実際、今の会社でオファーをもらわなかったらフリーランスになるつもりでいた。)
特に何かを「選択してきた」という意識はないけれど、目の前にあることを一つ一つやっていくうちに、今にたどり着いていた。
25歳の時に何者でもなかったように、今も何者でもない。
だけど、若かった25歳の頃の自分よりも、今の自分の方がよっぽど好きだ。
25歳の誕生日に、辛くて情けなくて泣いていた自分に言ってあげたい。
年齢を重ねることは悪くはない。何かを「捨てる」という選択ができるようになる。
そして、目の前のことを一つ一つやっていくと、毎日が全般的に楽しいと。
25歳では想像もつかないだろうけど。
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「ジンジニア」の成り立ち等に関するポエム
勉強会とかでちらっとLTしたこととかあった気がするけど、あまりまとめたことなかったので書いてみようという魂胆のポエムです。
このブログの最初のエントリーがこれ。
自分のことを「ジンジニア」って名乗りだしたのもだいたい同じくらいな時期だと思う。
「ジンジニアとは、人事としてもエンジニアとしても中途半端な立ち位置のことである」というお話。 - ジンジニアニッキ!
このエントリーに書いてある通りで、当時は採用担当しながら会社サイトのデプロイ権限を持ち、gitをコマンドで操作してました。
当初は「非エンジニアの人が同じような状況になった時に参考になれば…」と真剣に思ってblogを始めたんだけど、今から考えると同じような状況になるってこと、なかなかないよね…。
名前の由来というかそういう感じのこと
そもそも、「ジンジニア」という言葉はあまりポジティヴな状況から生まれたものではなかったです。
エージェント業からモバイルファクトリーへ社内人事(採用担当)として転職した私ですが、入社して2ヶ月くらいで前任の広報担当者が退職。
社内人事未経験ながら、入社して短期間のタイミング(まだ試用期間中やん!)で広報も兼任することになりました。
色々あって、サイト運用を担当していたデザイナーさんも同じ時期に退職。
広報業務引き継ぎのタイミングで業務フローがぐちゃぐちゃなことに気付き、現場に色々と負担がかかってしまっている状況を少しでも軽減できればと思い、当時のCMS(Movable Type)の権限をもらったのが始まりでした。
その後、当時のサイトをリニューアルして静的なhtmlでサイトが構成されることになったのですが、「え、運用する人いないやん。どうするん?」という状況になり。
色々端折りますが、当時の自分としては一番この方法が現場にも負担をかけず、サイト運用もスムーズにできるだろうということで、開発環境とデプロイ権限をもらうように交渉したのでした。
(ここまでが入社して半年経ったか経たないかくらいかな)
ですが、リニューアル後のサイトは前サイトから画像のリンク切れがあって404アラートがなりまくったり、自分のスキル不足のせいでその後入社してくださったデザイナーさんと一緒にgitでバージョン管理をしたりブランチ切ったりという運用がうまくできなかったり、入社して初めての新卒採用で四苦八苦したり等で「あれ、私、仕事なんだっけ…?こんなことするために転職したんだっけ?」みたいなことを思うようになります。
そのことをちらりと(オブラートに包んで)SNSで呟いたところ「ジンジニア(人事+エンジニア)やん」っていう反応があり、「あー、それいいかも」と思って、その後から使っています。
「自分の仕事なんだっけ…」みたいなことで悩んでいたのも、「そっか、私はジンジニアをしているのかー」と思ってスッキリするなどしました。
こうやってモチベーションも一気に回復し、開き直って「だったらついでにセルフブランディングとして使ってやろう!業務にも役立ててやろう!」くらいの商魂たくましい感じの気持ちになったのでした。
(単純な性格であることがよくわかる…)
エンジニアがキャリアのベースな方が(兼任/専任などなどの関わり方は別として)人事や採用の側に寄っていくというケースは比較的あるのかなと思います。
例えば、マネージャーをしている人が自分のチームの採用に関わるとかそういうことも含めて。
ですが、人事がキャリアのベースな人がエンジニアリングに寄っていくという逆のパターンってあんまりないので、少数優位性があるのかな…とかとか。
セルフブランディングを始めたりとかのこと
多分、一番最初にでしゃばり始めたのがこれ。
2014年の6月だから、ちょうど3年前か。
Keynoteじゃなくてpreziでスライド作ってる…。
普通の by Mamiko Tsuda on Prezi
リンクではタイトルが見切れてるけど「とあるベンチャー人事の普通なおしごと」で、結論がこれ。
煽ってるよね…。
いろんな人に名前を知っていただけるようになったきっかけになったと思われるのがこれ。
2014年のPyCon JPでLTした時のですね。
大きなカンファレンスで人前に出るのなんて初めてなので緊張して、この時は足も声も震えながらLTした記憶が。
技術の話じゃないので、「つまんねぇ、帰れ!」って言われたらどうしようとか思ってたな。
その後の懇親会とかそういうところで、参加者の人に声かけてもらえたりするようになったのがとても嬉しかったです。
カンファレンスでLTしても死なないんだなって思って、その後は人前で喋ることに対する恐怖感がだいぶなくなりました。
(完全になくなった訳ではない。やっぱり人前は苦手。)
ジンジニア(人事+エンジニア)になってよかったこと
セルフブランディングやらエンジニアの人に話しかけられやすくなったとか承認欲求とか、そういうこと以上に実務面でのメリットの方が大きいです。
会社サイトの運用に関して、業務フローやら手順やら色々やっていて感じたことだけど、「チーム作業をいい感じにする」という領域に関してはエンジニアリングの手法がたくさんあり、その他の職種よりもかなり進んでいると思います。
ツールやソフトウェアの活用を含め、自動化することによってミスを防ぐとか、情報共有の方法とか、チームビルディングやマネジメントの手法とか、コミュニケーションの取り方とか、そういうこと。
やり方は職種や職務の属性に合わせる必要があるけど、いろんな職種や領域において参考になると思ってますし、本来の人事やバックオフィスの業務に役に立つことが多かったです。
話飛びますが、gitって本当に優れたソフトウェアだなぁって思います。
あれは、すごい。(小並感)
採用やら人事やらバックオフィスの業務はとにかくルーティンワークが多い。
求められるアウトプットも、「常に問題やミスがなくできているという状態で普通」という水準だったりするので、確認やら細かい作業が多い。
以前はこれらのルーティンワークをミスなく行うことがひたすら求められていたりしたようだけど、最近は「攻めのバックオフィス!」みたいなことも多くて、これまでの作業とはまた違ったことを期待されていたりする。(それが仕事のやりがいだし、楽しいいところなんだけどね。)
そんな時に、エンジニアリング入門みたいな業務で感じたことや身につけた考え方・やり方はすごく良くて、手元の業務をできるだけ時間をかけずに最短距離で成果を出すこと、「頑張らずに頑張る」ことに力を注いでました。
もっと頭使って問題解決することに時間かけたいと思ってルーティンワークを圧縮して時間を捻出してたし、訳が分からないくらい謎に業務を兼務してたけど、残業もあまりせずに有給は全部使って楽しんでました。
完璧にできていたかと言われるとそうではないとは思うけど…。
バックオフィスの人、「プログラミングができるようになれ」とまでは言わないけど、「もうちょっとPCとかソフトウェアと仲良くなると、仕事がむっちゃ楽になるよ」ということは言いたい。
ITに強くなると、大抵の業務が降ってきたとしても「まあ、大丈夫、なんとかなるでしょ」ってなれます。多分。知らんけど。(関西人的なノリで)
これから
6月から株式会社はてな、っていうところに入社したらしいです。
職種は人事じゃなくなったので、もはや「ジンジニア」じゃないんですけど、まあ、このまま使っていこうかな。
これまでのキャリアでは人事、特にエンジニア採用という職種がコアな経験としてあるものの、なんかいっぱいいろんなことやり過ぎてゼネラリストとしての性質が強く、実はコンプレックスです。
やっぱり、スペシャリスト、すごい。尊敬する。
スペシャリストになりたい!って思っていた時期もあったけど、色々経験したりした結果、とはいえ色々できる・分かるっていうオールラウンダーな性質も悪くないなぁと思えるようになりました。
組織が大きくなってくるとスペシャリストだけではなくて、その間を繋ぐ人もやっぱりいるよね、って。
コンプレックスが完全になくなった訳ではないけど、「ゼネラリスト領域でのスペシャリスト」としてなんかいい感じにできればいいかなって思います。
このblogも、相変わらず気づいたこととか考えたこととかをまとめるためにたまに書く予定。
(blogを書くって方法は、ソフトフェアエンジニアの人たちがやっているのを真似してます。)
とにかく、人間の名前と顔を覚えるのが苦手すぎるので、良い方法があれば知りたい。
慣習として、例のあれを貼っておきます。
Amazon.co.jp
現場からのポエムは以上です。
【後編】転職活動で気づいた、採用が下手な会社と上手な会社
前回の続きです。
前回のエントリーが予想外にバズっており、小心者の私は非常にビビっております。
皆様のコメントがとても優しいのが嬉しいです。
ところで、ブコメの中に「お見送りの理由ってわかるものなの?」といった反応があったのが目に留まりまして…。
返答としては、「できるエージェントを利用していると、わかる場合も多い」です。
できるエージェントの人は採用企業側からも信頼がされているため、面接後の感想や評価を回収することができます。
自己応募だと企業側の反応やフィードバックを手に入れることはなかなか難しいですので、転職活動においてエージェントを利用する大きなメリットだと思います。
採用が上手だなぁと思った会社に見られる共通項
前回書いたことの反対です。
…と言うと元も子もなくなってしまうので、頑張って書きます。
良い印象を持った会社や面接に共通して言えることは、「素早く」「誠実で」「丁寧な」対応をしている会社なのかなぁと思います。
採用のためには会社や事業の状況、組織やチームのバランス、経営計画やビジョンといった様々な変数を考慮する必要があり、だからこそ「なかなか良い人がいないなぁ」なんてことになるのが一般的かと思います。
上記3つを実現するためには、採用に関わる人それぞれが「会社/事業/プロダクト・サービス/チーム/自分は今どんな状況で、それらを今後どのような状態にしていきたいのか」ということを考えて言語化することが重要です。
それがあって初めて、どういうスキルセットやマインドを持った人にどういう仕事を任せたいのかということが具体化されるのだと思います。
ですので面接や選考という場は、自分たちの状況について日頃からどのくらい考えながら仕事に取り組んでいるのかということが如実に現れてしまう場なのかもしれません。
1. インターネットに公開していない情報も提供してくれる
せっかく時間をとって面接や面談を実施するわけなので、会社サイトやインタビュー記事等に書かれていることだけでなく、その場でしか話せないことや足を運ばないと感じられない情報を手に入れていかないと互いにとって機会損失だと思います。
私の場合は先のエントリーに記載の通り、「課題」について質問することが多かったです。
話の流れや相手に合わせて「課題は何ですか?」と直球に聞くこともあれば「困っていることはどんなことですか?」と聞くこともありましたが、それらの質問に対して真摯に答えようとしてくれる会社は印象がよかったです。
「課題は何か」という質問と合わせて「それらの課題に対してどう解決しようとしているのか/どのように取り組んでいるのか」といったことも合わせて聞くようにしていました。
これは、自身の経験で「大きなビジョンや理想像は掲げているが実態が伴わない」というケースにも遭遇しているためです。
「認識はしているが手が回っていない」と率直に答えてくださる会社もあれば、「難しいからねぇ…」と半ば諦めている会社もありました。
課題解決に対して動いていることが望ましい状況ではあるのですが、手が回っていないという状態もとてもよくわかりますし、だからこそ人を採用したいという話に繋がると思います。
そうした面も含め、会社の状況について包み隠さずに教えてくれる会社に対しては誠実さを感じました。
ちなみにですが同じ会社であっても面接官それぞれの立場によって課題の捉え方が違うこともありました。
それらをつなぎ合わせることで会社全体の課題もなんとなく見えてきたりして、とても興味深かったです。
その他、ちょっと聞きにくいようなことも割と聞いていたりしました。
参考までに、ざっくり自分の質問内容を列挙すると下記のような感じです。
- 組織構成 (会社全体の職種分類、配属予定部署、チームの人員構成など)
- 会社の組織を今後どのくらいの規模にまで成長させたいのか。それは何故か
- 今後採用を強化したい職種やポジションは何か。その採用は何故必要なのか
- 応募しているポジションの採用背景
- 職務内容やミッション
- 仮に自分が採用された場合に期待役割やアウトプット
- (資金調達したスタートアップの場合)調達した資金で強化したい分野
- IPOやバイアウトを視野に入れているのか
- 投資家との関係性
- 競合するサービスやプロダクト、同業他社との違い
- (AIやディープラーニング等の新しい技術を取り入れている会社の場合)それらの技術をプロダクトのどのようなところで使っているのか
- (法的なリスクがあるサービスやプロダクトだなと感じた場合)こういう法的なリスクがありそうだが、それについてどう思っているか。リスクを認識しているのであれば、どのような対策を行なっているのか
質問に対する回答の中身も重要なのですが、それ以上に、質問に対してどのように対応するのかという点に会社の採用に対する考え方が現れるように思いました。
質問の中には「今は(ビジネス上の理由等から)答えられません」という反応もありました。
そういった反応を含め、率直かつ真摯に情報提供をしようとしてくれる企業の方が、自分はより好感を持ちました。
色々質問をしていくと会社の今の状況や目指している方向性が見えてきます。
今まで知らなかったことや「思っていたのと(良い意味でも悪い意味でも)イメージが違う!」といったことにたくさん遭遇しました。
転職活動においては公開されている情報だけではなくて、こうやってリアルな情報を収集することも意味あることだなぁと改めて思いました。
2. 「何を考えているか」を深掘りして聞き出そうとしてくれる
表面的な受け答えだけで判断するのではなく、何を考えているかまで聞き出そうとしてくれる姿勢はとても嬉しかったです。
相手の考えを深掘りするというスキルはものすごく高度なものだと思います。
ですが深掘りする質問をしてくださった方は皆、職務経歴書の内容をきちんと読んでくださっていたり、私のブログや公開しているスライドに目を通してくださっていました。
とても難しいことではあるのですが、事前の準備で大きく変わってくるのかなとは思いました。
今回の転職活動において私は、自分自身のことを盛ったり隠したりキャラクターを作ったりしないように心がけていました。
相手に合わせるようなことをすることによって、入社後に「やっぱり違ったね」となるのは互いにとって不幸なことだと考えるからです。
割といつもテンションが低く*1、とある適性試験の結果によると出現確率2%程度のレベルで内向性が強く、合理性を好んで空気を読むのが苦手…という私は、世の中一般的に想起される「人事」とはちょっと違うように感じられることも多かったようです。
面接でよくある質問で「一番うまくいった、効果があった施策はどんなものですか?」というものがあります。
私にとってこの質問は答えるのがとても難しいものでした。
というのも、私はこれまで何か大きな施策で採用の結果を出してきたというよりは、以前のエントリーのような細かい業務改善を行ったり、面接の準備や一つ一つのコミュニケーションを工夫したり、業界の動向を情報収集するようにしたり…ということが成果につながってきたと捉えており、その一つ一つの取り組みは当たり前過ぎて「施策」と言えるのかどうか…と思っていたからです。(質問に対しては率直にこの通り答えていましたが。)
こうしたことから「もっと明るい人が良い」「人情味溢れるタイプの人が良い」「情熱が感じられない」「成功体験の再現性がなく、スキルが低い」といった理由でお見送りになることも何回かありました。
こういった会社とは「ご縁がなかったんだな」とは思いつつも、考えや思いが伝わらない状況にモヤモヤすることもありました。
正直、私の伝え方が下手くそなのだとは思います。自分の考えを表現することは苦手分野でもあります。
一方、採用人事の経験から面談や面接という場には慣れていルものの、それでも自分のことを語るというのは難しいことだなぁと思いました。
採用経験者でもこんな感じなので、それ以外の方はもっと緊張したり、うまく伝えられないもどかしさを感じたりするのではないでしょうか。
逆に、非常に印象に残っている質問もあります。
過去の取り組みや工夫したことやそれに対する自分の評価等を聞かれていたのですが、「言葉だけを聞いているとやる気がなさそうな印象を持ってしまうのですが*2、やる気がなければこれまでの実績や成果は出せないように思うのです。なんで成果が出るまで工夫をしたり続けたりできたんですか?」というものでした。
言葉の細かいところまでは覚えていないのですが、そんな感じです。
その質問を受けて「確かに。なんでだろうなぁ…。」と考えることになりましたし、自分では気づいていなかった新たな側面を引き出してもらえたように感じてとても嬉しかったです。
3. 自社の状況に応じた採用可否の判断をする
中途採用においては「タイミング」も非常に重要な要素です。
考え方、社風、フィーリングが合致しポテンシャルを感じることができたとしても、今このタイミングで入社してもらうことが自社にとっても本人にとっても良いことなのかどうかを考える必要があります。
特にスタートアップやベンチャーでは社員数も少ないことが多く育成にあまりコストをかけることができないため、入社後すぐに即戦力として成果を出すことを求められることも多いです。
フィーリングやカルチャーがマッチすることももちろん重要ですが、その部分のフォーカスしすぎて実はスキルがミスマッチだった…ということも良く聞く話です。
今回の転職活動では職種を人事に絞らず、幅広く選考を受けたり話を聞きに行ったりしていました。
とあるスタートアップから「こういった業務(人事以外の分野)を担当してもらうのは可能性としてどうか」というお話をいただいたことがありました。
実際にお会いしてお話を伺い、先方も私にとても興味を持ってくださったようでフィードバックも「是非!」といった勢いのある感じだったのですが、再検討した結果お見送りとなりました。
落ち着いてその会社のフェーズや会社の成長のために必要なこと等を考慮した結果、ポテンシャルや社風とのマッチの面は高く評価してくださったものの、スキル面で今のこのタイミングで採用すべき人材ではないという検討結果でした。
自分もその会社の話を聞いた後、私がその業務を担当することが本当に今のその会社にとって良いことなのかどうか「大丈夫?」と感じていたこともあり、非常に納得感があるお見送りの理由でした。
また同時に、勢いやフィーリングで採用をするのではなく、今の会社にとって必要なことを見極めようとしている点にとても好感を持ちました。
今回はご縁がなかった会社ですが、またどこかで何かしらの形でご一緒できる機会があるといいなぁと思っています。
4. ネガティヴな点についても考慮している
人を採用するということにあたっては「この人を採用すれば万事うまくいく!何も問題は起きない!」ということは難しいです。
また、人間は不完全なものですから「この人のこういう面、個性として尊重はするけれども実際大丈夫かな」といった心配があって当然だとも思います。
そういった懸念やリスクについて率直に伝え考慮している会社は、ただ頭数で採用しようとしているのではなく、その人のことをちゃんと理解して尊重しようとしていると感じました。
例えば、とある企業では「任せようと思っているポジションは業務範囲がカチッと定義されているものではなく、自分で仕事を見つけていってもらうことも期待しているポジションです。そんな環境で働くことはあなたのやりたいことと合致していますか?」というストレートな質問がありました。
また、既述の通り私は割と合理的なことが好きで感情的なアプローチに対応するのが苦手だったりするのですが、「社員の中にはエモーショナルなコミュニケーションを好むタイプの人もいますが、そういった人とうまくやっていけそうでしょうか?」といったことも聞かれたことがあります。
人によってはそのような、ある意味ネガティブな質問をすることを不快に感じる人もいるかもしれません。
少なくとも自分の場合は、何か不安や心配な点があるのであればそれを率直に聞いてくれる方がありがたかったですし、「ああ、互いに幸せになれるかどうかということを考えているんだなぁ」と感じました。
5. 対応が早い/対応期限を教えてくれる
いうまでもないことかもしれないです。
やはり、レスが早いと「本当に採用を大事に思っているんだな」と思います。
ただ、様々な事情で、すぐに結果を出すことができないということもあります。
そういう場合には、例えば「結果まで1週間程度かかるかと思います。お待たせして恐縮です。」といったことがあるだけで随分と印象が違うなぁと思いました。
「結果が出るのいつだろう?」というヤキモキも軽減されますし、その1週間を待ちたいかどうかは私が決めれば良いことなので。
レスが早いということは単に印象をよくするというだけでなく、その会社の意思決定スピードや、現場や担当者に権限移譲ができているかというバロメーターの側面もあると思います。
「うちの会社はスピード感があって裁量権もありますよ!」といっている会社が、選考のレスが遅く、結果を出すのに面接官以外の人と調整をしなければいけない…というのでは矛盾しているからです。
ところで、自分が面接官をひとりで担当していた時は「この人いいな」「自分ではこの点*3が判断できないから、次回あの人に会ってもらおう」といった時はその場で(自分の)選考合格の旨を伝えて、場合によってはその場で日程調整もしていました。
割と一般的な面接のやり方なのかなぁと思っていたのですが、案外他の会社ではやっていなかったりするようです。
小手先のスキルではありますが、良かったら使ってみてください。
まとめ&終わりに
自分は社会人になってから、エージェントや社内人事と形を変えつつも「採用」というものにずっと関わってきています。
先のエントリーのようなことは以前から知っていたことではあったのですが、転職活動をしたことで再認識しましたし、改めて学びにもなりました。
「当たり前だよね」というようなことばかり書きましたが、では「お前はこれまで書いた当たり前のことをいつでも100%できていたのか」と問われると、正直なところ自信はありません。
業務効率化がうまくできていなかったり何かと忙しかったりで時間と心の余裕がなく、ついつい対応が雑で遅くなってしまうといったことも実際にありました。
また、人事という職種でありながら人間の対応が苦手という私は、面接や面談が上手くできなくて悩んだり、相手の話をうまく引き出すことができず、自分にがっかりすることも多くありました。
今回の転職活動を通じて、例えばですが「ああ、レスが遅いだけでこんなにも会社に対する志望度や好感度が下がるんだなぁ」「話を聞き出してくれるとすごく嬉しいなぁ」といったことを改めて経験したことはこれまでの内省にもなったと思いますし、今後の糧にしたいとも思っています。
今回の転職活動において自分が選考を受けていたのは採用が上手くいっていない(だからこそ採用人事を採用したい)、人事という専任者を初めて採用したい(専任者がいないので採用というものがそもそもあまり良くわからない)といった企業も多く、だからこそ自分が経験したようなことが起こりやすかったのだと思います。
ですから仮に自分がそれらの会社に入社していたら、基本的なことをやり直すところから始めたのではないかと思います。
(広く)IT業界は人手不足が蔓延しており、どこの会社も採用に力を入れています。
人事や採用に関するメディアでは様々な会社の成功事例やノウハウが掲載されていますし、採用に関する勉強会も盛んに行われています。
そういった記事や勉強会では、「こうやったらうまく大量採用ができた」「採用ツールの活用法」「採用広報のためにオウンドメディア運用」「リファーラル採用を成功するためには」といった内容が多数共有されています。
そのこと自体を批判するつもりも、否定する意図もありません。
私自身、これらの情報を参考にすることもありました。
ただ一方でずっと思ってきたのは、採用には銀の弾丸はなく、今回私が書いたような基本的なことをコツコツと実施すること、そしてその基本的なことを常に実現できるように業務をきちんと見直すことも成功に繋がるの方法なのではないかということです。
実はごくごく基本的なことを当たり前にすることが採用や組織における課題を解決するための本質に繋がっていて、施策はその基本的なことの上に成り立つものではないか。
他社の事例研究や斬新な施策の企画実施も大事だけど、もっと足元を見直してみるところから始めてみても良いのではないか、とも思うのです。
本当にありきたりなことしか書いていないので、まさかこんなにも拡散されるとは思っておらず、びっくりしています。
知り合いに「なんでこんなに拡散してるの?何が良かったのかさっぱりようわからん。」っていうようなことを聞いてみたところ、「その当たり前を言語化することに価値がある」と言われ、「なるほど」と思ったりしました。
少しでも採用や転職に際して参考になる要素があれば嬉しいです!